「ときめき」

最近、出会う人出会う人がとても懐かしく思えてしょうがない。

自分が暮らしているこの土地、なぜ今私はここにいるのか?それは紛れもなくこの地に縁があってのことだ。そして住まわせてもらっているこの家はどうだろう?この家に出会うためにこの土地へやってきたとしか思えないくらい、今の私にはぴったりの家だ。あまりにもありがたくて家や周りの環境に感謝の言葉をかけている日々。大好きな富士山を拝みながら絵を描くことができるアトリエ、はるばる訪ねてきてくださるお客様をお迎えすることができるギャラリー。
オオカミ犬のDONを散歩させることができる豊かな森。その森の道は崖っぷちも通るようなきわどい道で、いつ崩れて通れなくなってもおかしくないような道だが沢山の樹の根っこ達に支えられて、ぎりぎりのところで守られている。だから森にも道にも樹々にも毎日「今日も通らせてくれてありがとうございます」と声をかけながら歩く。ここで生きていくにはここの自然にゆだねるしかなく、毎日が奇跡だ。だから朝を迎えられるたび「お陰様で今日も一日を始めることができます」と感謝する。「私は生かされている」という感覚が全身を包み「ありがたい」という思いに心が満たされる。

DONと1日2回、街へと下りてゆき様々な人々とすれ違う。挨拶を交わしちょっとした会話をすることもある。その時も前にもまして「懐かしい」と思うようになった。この街でよく散歩している人はお年寄りが多いが、最近出会ったのは大学を卒業したての「マリホ」という女の子。彼女の趣味は絵を描くことと散歩で将来の夢はドッグトレーナーだった。だから大学時代にも散歩をしていて私とDONの姿はよく見かけていたようなのだ。そして卒業間際の頃、彼女が声をかけてきてくれた。私は絵描きでギャラリーもあるのだと言うと「ぜひギャラリーを見てみたいです」と卒業後に来てくれた。そこで色々話をしてみると、彼女は広島の島の生まれで、なんと彼女のお母さんと私は同い年だった。私は驚いたが彼女も驚いていた(笑)「じゃあ今度DONと一緒に散歩してみない?」と言うと「えっ、いいんですか!嬉しいです。どうぞよろしくお願いします!」と満面の笑みが返ってきた。こうして娘のような友達ができた。マリホといると友情に年齢はまったく関係ないのだと実感することができ、そんなご縁ができて私は幸せ者だなぁと思った。

先日、初めての葉山でのARTSHOWの時にも素敵な出会いがあった。その方は3人のお子さんを連れたシングルマザーだったが、私のことも全く知らずに昼間のマルシェに現れた。そこで絵と出会って求めてくださったのだが、それが本当に運命的な出会いだったそうなのだ。その日はなぜか彼女の中に「白と黒、点と線」というイメージがやってきていたらしく、私の絵を見た瞬間、無性に惹かれるものがあり「これだ!」と悟ったのだという。私は詩も書いていて、その詩を朗読するARTSHOWが夜にあることを伝えると「これは導きだと思うので、一旦家に帰り子供達を置いて私1人で戻ってきます」と言って帰っていった。そしてARTSHOWが始まろうとした直前、全身真っ白な姿に着替えて帰ってきたのである。一番前の席がちょうどひとつ空いていたのでそこへご案内してスタートを切った。終了後、目に涙を浮かべながら彼女が語り出した。「本当に出会えて嬉しいです。私は今日ここに来ることになっていたのだとわかりました」と。家を出る時、なぜか子供達が「今夜はお母さんにとって、とても大切な時間になるから絶対に遅れちゃだめだよ!」と送り出してくれたこと。全身真っ白だったのは「今日ここで自分は生まれ変わるのだ」と直感したからなのだと。彼女の一連の話を聞いていると、私の魂も揺さぶられた。そして本当に、すべては完璧なタイミングで起こるべくして起こるのだということを改めて知ったのだった。こういう出会いがあるたびに「私は私の道にいるのだ」と確認することができるのだ。

今朝、NOBUYAが旅立ってから迎えた初めての誕生日に友人から贈られた花に4年振りに花が咲いていた。そのことに自分でもビックリするほど心が湧き立ち、たまらなく嬉しくなった。その花の名は「ときめき」今日も私を生かしてくれているすべてに、ありがとう。愛と感謝をこめて。

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