2014

2014.12.22_>>>_新月

「星と火と水と」新橋にできた常設ギャラリーがプレオープンを迎えた。「上田」さんという1人のキーパーソンとの出会いから9ヶ月。あれよあれよという間に誕生することになったギャラリーの記念すべきオープニングにはるばる集まってくださったみなさん、
本当にありがとうございました。オープニングイベントのオーガナイザーを自ら進んで務めてくれた「晴奈」も2月に出会ったばかりだし、2014年はこれからのARTGYPSYの運命を決定づけるような大きな出会いがあった年でもあった。この出会いにしても辿ってゆけば屋久島のファミリー「EARTH TRIBES」の「ヒロミ+エミカ」や「森の旅人」の「ケンタ+ナオ」へと繋がっていって結局回りの人々のお陰でこのご縁が巡ってきているということにつくづく「ありがたいなー」と思うのである。相も変わらず、高尾のファミリーはいつも身近なところで私達を支えてくれているし、ツアーで回った先々でも初めてお会いするというのに、その土地の方々が家族のようにとても温かく迎え入れてくれて、それだけで私達がどれだけ励まされているか知れません。感謝です。新橋のギャラリーは2015年には徐々に本格的な形になっていくことと思います。ちなみにこのギャラリーでの2015年の最初のイベントは2月22日の日曜日に決定しました。年明け最初のメンバーとしては最もふさわしい屋久島、高尾のファミリー、そしてオオカミ犬nociwの姉妹の「ウルル」の飼い主である山梨は北斗市在住の「kuri」の「カツ+ミホ」がARTGYPSY ARTSHOWのゲストミュージシャンとして登場してくれることになっています。ぜひ遊びに来てください。とりあえず新橋のギャラリーが何とか産声を上げることができたので、ひとまず私はこの冬の間、制作に没頭しようかなとうずうずしているところだ。絵や詩がとても生まれたがっているのを感じる。冬の森にも深く触れたい。静寂の中で内省と創造の贅沢な時間を過ごせたならどんなに素敵だろう。この冬の愛おしさは、もちろん我が家の薪ストーブがあるお陰でもあるから、これは私に最も身近なNOBUYAにやはり一番の感謝を捧げよう。いつも薪集めの重労働を一生懸命頑張ってくれてほんとにありがとう。本物の火を感じながら生活できて、とても豊かな気持ちに満たされているよ。そして我が家の地下水にも感謝。この水で入るお風呂は私にとって一番の元気の元だな。

 
_ 2014.11.22_>>>_新月

「サイン」秋のARTGYPSY TOURから帰って来て瞬く間に時が過ぎていった。ツアーでは札幌の個展会場になった「ハンモックカフェ」の時から屋久島「森の旅人」の「KENTA&NAO」と合流してずっと一緒に旅をしてきてそれはもう珍道中の日々だったけど最高に楽しかった。高尾に帰って来てから「ひかり祭り」に参加して長野県原村の「ピースドーム」で私達のツアーは終了したが、行く先々で色んな人々と出会い、笑い合った贅沢な時間だった。新潟の会場はケーキ屋さん「VIGO」だったが甘いものが苦手というそこの小学生の娘「くおん」ととても仲良しになって「また絶対にここに帰って来てね!」と指切りげんまんをした。「∀ちゃんがずっと幸せでありますように!」という手作りの守り札を渡されて…。札幌では会ったばかりなのに懐かしい気分を味わえる連中と毎晩大笑いして改めて「自分達って道産子なんだねー」と再確認したり、阿寒コタンに移り住んだ仲間の「Ague&Emi」ファミリーの所では私の妹夫婦とnociwの息子であるオオカミ犬の「シバ」と落ち合って森の中で一緒に過ごすこともできた。北海道からフェリーに乗って4人で高尾に夜に帰ってきて翌朝は「ひかり祭り」の会場へ向かうという怒濤のスケジュールに、脳みそは全然追いつかないまま3日間を過ごし、その後はツアーの最終地点長野「ピースドーム」で意義深い時間を持つことができた。このドームのオーナーの「月ねえ」こと「りえ」さんの小学生の娘「ねあ」が誰も気づいていない私の体の状態に気づいてくれて、とても優しくしてくれて癒された。髪に触るのが好きだという彼女はARTSHOW用に私の髪を編み込んでくれたりして…。ツアー中は二台の車で「KENTAとNOBUYA」「NAOと∀KIKO」というように男子と女子に別れて移動していたので、私はNAOといつも車の窓からたくさんの素敵な景色を見ては「すごーい!」「きれーい!」と感嘆の声を上げ共感し合った。ある時、無数の鳥達が1つの編隊を組んで色んな形になりながら、まるで波のように大きな空を移動していって、その美しさに圧倒されてしまった。雨上がりに眩しい虹がかかった時の感動。そんな瞬間を一緒に共有できる仲間がすぐそばに居るということへの感謝でいっぱいの旅だった。動物は特に、こちら側が気づいていれさえすればいつでもサインを送ってきているような気がする。カラスやトンビ、タカ、カワセミ、とりわけサギは私に取って吉兆の鳥だ。先日も家の前の川に突然、見た事も無いくらい大きな美しいアオサギが舞い降りてきてハッとした。その存在を目にしただけで胸がドキドキする。時が一瞬止まってしまうような感覚。その感覚だけで一日HAPPYなのだが、家からアトリエまで40分歩いて辿り着くとその日は玄関前に大きなイノシシがいて更に驚いたのだった。その方は何も言わずに去って行ったのだが、その人間のような後ろ姿がなんとも印象的だった。夢には最近、去年旅立った我が家のオオカミ犬nociwが頻繁に現れてきている。12月は6日の満月に今年の3月にもやった高円寺の「ぽれやあれ」でARTGYPSY ARTSHOWを行ったあと、21日冬至の新月に新橋にオープンすることになった∀の常設ギャラリーのオープニングイベントでもARTGYPSY ARTSHOWを行います。この新橋のギャラリーオープンの話。今年の3月にある方との出会いからあれよあれよという流れの中で決まり、私もNOBUYAもまだよく把握しきれていないような状態なのだけど(笑)思えば10年前の2004年に∀のギャラリー「nociw」がクローズして2005年にオオカミ犬「nociw」が誕生し、2013年にnociwが旅立ち、2014年に再びギャラリーがオープンするという出来事自体が、やっぱり導かれてるとしか思えないような感覚になるのだ。しかもその人物と会った日というのがnociwの誕生日だった。こうなるまでに出会った誰が欠けても、こうはなっていなという奇跡に改めて感動してしまうのである。とにかくとにかく、みなさん、ありがとうございます。









 
_ 2014.10.8_>>>_満月

「北へ」屋久島の森での生活が、もうずいぶん前のことのように感じられる今日この頃。今年最後のツアーに旅立つ。新潟と札幌。北へ向けて。新潟は10年来の付き合いになる弟のような存在「やす」がオーガナイズしてくれた。やすは川口の人だが今回は初めての長岡での開催。彼の友達が営んでいるという「VIGO」というケーキ屋さんだ。ARTSHOWのゲストミュージシャンは「phoka」彼女もかなり古くからのファンで昨年柏崎でやった時も飛び入りで参加してくれて盛り上がったっけ。約束をしなくてもお互い旅をしている中で色んな土地で再会することになっているのが面白い。初のアルバムを出したようでセッションするのが楽しみだ。札幌はアーティストの「あけ」が奔走してくれて実現することに。彼女は昨年札幌の「PROVO」にも見に来てくれていたが、そのひと月前に私達が屋久島からフェリーで帰ろうとしている時にあけ達はまさに屋久島に到着するというタイミングで港で偶然出会った。彼女達は北海道から屋久島に移住した「まーちゃん」と「さおちん」の友人で、そのまーちゃんとさおちんは最近「KENTA&NAO」ととても親しくしていて今回屋久島で最後の日に2日間一緒にキャンプして魂の交流をさせてもらった素敵な人達。その彼らとあけが色々と親身になってくれたお陰で札幌での開催が決定したのだった。場所は「hammock base cafe」というお店でオーナーの「西くん」という人はなんと私達と一緒の余市出身だそうで、それだけでもとても縁を感じている。最終日のARTSHOWには富良野から妹夫婦「フミ&ヒロさん」と我が家のオオカミ犬nociwの息子である「シバ」も来てくれることになっている。お店の中にもシバは入れるそうで本当にありがたい限りだ。札幌で「森の旅人」のKENTA&NAOと合流して一緒に行動できるのもとっても嬉しい。そして札幌が終わったら高尾から阿寒に移住したアーティスト「Ague&Emi」家族の元へみんなで向かう事になっている。久しぶりの新潟と1年ぶりの北海道。どんな旅になるのかワクワクだ。森旅と一緒に高尾に戻ったらすぐに藤野の「ひかり祭り」の参加、長野県原村の「ピースドーム」でのARTSHOWが待っている。そして11月15日の「虔十の会」主催の環境イベントで下北沢でのARTSHOWと16日の高幡不動尊の「ござれ市」へと続く。今年はあれこれ重なってしまいござれ市に出るのも半年振りとなってしまった。業者のおやじ達も首を長くして待ってるだろうな。そして12月は3月にも行った高円寺「ぽれやあれ」での個展や、冬至の新月に新橋でのARTSHOWが予定されていて、めまぐるしい2014年の締めくくりになりそうな予感である。どこかのタイミングでみなさんに会えますように。ではまずは北へのツアー楽しんでいってきます!




 
_ 2014.9.9_>>>_満月

「森と森」約1ヶ月半の屋久島の森でのお籠り制作から、高尾の森に帰ってきた。今回の屋久島生活はディープ過ぎて一言ではとても語れないが、ありがたいことに帰って来てからそのエネルギーを表現する場が与えられているので、そちらで存分に発揮していきたいと思っている。20日は山梨の北斗市「スタジオKURI」で行われる「縄文の森スピリット」への参加。28日は高尾の「グリーンセンター」で「虔十の会」主催の環境イベント。10月5日は高尾の「むみじか」にて「神無の宴」と題したARTGYPSY ARTSHOW。ミュージシャンであり瞑想家の「奈良裕之」さんと「杜々」の女将の「佐千代」の弟でディジュリドゥ奏者の「Sanshi」との2度目のコラボレーション。彼らがコラボするのは初めてなので一緒にやるのがもの凄く楽しみだ。そのあとは新潟、札幌とツアーに回り、11月1、2、3日は恒例の藤野の「ひかり祭り」で出店とアートショーを行うことに。屋久島の「森の旅人」健太と奈央とは札幌で落ち合うことになっているが、そのまま「ひかり祭り」にも一緒に参加することになった。先日屋久島の空港でバイバイしたばかりだが、またすぐに会えるので全然離れてる気がしない。嬉しい限りだ。しかも今度はNOBUYAもいるから一番バランスの取れた形になるだろうな。とっても楽しみである。みなさんも、どこかのタイミングでぜひいらしてみてください。「精霊の歌に耳をすませて」世界の異なる それぞれの場所に
住まう人々が聞いた 精霊の歌声のする方へ 歩いてゆくと
それは 地球の心へと
まっすぐに つながっていた肌の色 話す言葉 宗教の違い
それがいったい 何だというのだろう私達は ひとつの源へと通じる道を
それぞれのリズムで 歩きだした世界の異なる それぞれの場所で
この時も 聞こえてくる
精霊の歌に 耳をすませて



 
_ 2014.8.11_>>>_満月

「屋久島にて」長野県飯田市での個展を終えて只今屋久島の森で絵を描いている。到着予定日には台風の影響で鹿児島からの飛行機が飛ばなかったため、霧島の温泉宿で1泊することになった。屋久島を訪れるのは9回目だがこんなことは初めて。これもまた意味があるのだろうと温泉につかりながら、これから森に籠もり一人過ごす時間に思いを巡らせた。翌日には無事島に入ることができ、空港には森の旅人の奈央が出迎えてくれていた。「おかえりー!」4ヶ月ぶりの再会を喜ぶ私達。籠もるのはいつもの通り森の旅人の健太が借りているアトリエ。けれども彼らもガイドの仕事やイベントの手伝いで忙しかったためアトリエの掃除ができていないという。とりあえず3人でアトリエの大掃除に取りかかり場を清めてから制作に入ることにした。その前に森に入り海に入り川に入り私自身の清めをすることを2人は提案してくれた。いつでも私にとって完璧なガイド役を買って出てくれる2人なのである。見違えるようにきれいに場が整えられたアトリエで3日間絵を描いたが何と2度目の台風が屋久島を直撃するという。周りに民家の一切ないアトリエで1人でいるのは危険ということで再び彼らの家に避難することになった。そして隣の島、口之永良部島では火山の噴火が…。「ホントに∀は凄いタイミングで来たね。これも神様のお導きなんだろうけど」と2人。とにかくめったに体験できないほどの規模の台風を味わって気分を新たにアトリエに戻ることになった。その前に奈央が「∀!屋久島最高峰の山である宮之浦岳に登ってからまた絵を描き始めたら絶対にいいよ!あそこは益救神社の奥の院もある屋久島の中心だから」と言うので彼女の直感に従うことにした。深夜の1時に起きて山頂で朝日を拝もうということに。この日は地球と月が最も接近するというスーパームーンの満月。家を出る時、空にはなんともいえない神秘的な満月がぼんやりと輝いていた。山に登り始めると雨が降り出してきた。辺りには幻想的な霧がかかりまるで夢の世界が広がっていた。真っ暗な中、懐中電灯の明かりを頼りに一歩一歩頂上を目指して歩き出した。屋久島では山の下と上とではまるで天気が違う。私達はこの特別な日の雨を浄化の雨ととらえ、ずぶ濡れになりながらも嬉々として宮之浦岳を堪能したのだった。朝日は見えなかったが私は自然のパワーを十二分に満喫し英気を養うことができた。これからまた1人、絵に没頭したいと思う。この環境を与えられていることの奇跡に感謝して。高尾に帰ってからの最初の仕事は9月20日、21日。山梨県北杜市での作品展示とARTGYPSY ARTSHOWだ。テーマは縄文スピリットの森。コラボレーションするアーティストはミュージシャンのKURIと前回のツアーで淡路島に呼んでくれたcafe´ Nafshaのオーナーで現代美術家の尾崎さん。会場となるのもKURIの2人の山の上の家だ。ここは本当にステキな場所でKURIのかっちゃんが友達の大工と一緒に建てた家やギャラリースペースやライブスペース、ゲストハウスも併設されている。山全体が彼らの生活場所であり、そこに広がる森にはまさに縄文スピリットが息づいている。今回のARTSHOWは、かっちゃんの提案で初めて野外で火を焚きながら行うことになった。尾崎さんは縄文土器の他に縄文太鼓も作る人でこの日、KURIから依頼された太鼓を完成させて持ってくることになっていてその太鼓には私の画集「wor un nociw」の中の風の精霊「rera」が持っているシャーマンドラムに描かれている絵が施される。詳細はまたお知らせしますが気になる方はKURIのブログもご覧になってみてください。Studio kuriで検索できます。それでは再び森へ行ってきます!





 
_ 2014.7.12_>>>_満月

「cotton1598」初めての長野個展を山々に囲まれたのどかな街、飯田で開催中である。会場の「cotton 1598」は創業1598年の400年以上続く老舗の会社「綿半」のショールーム。今まで色んな場所で個展をやってきたがショールームでやるのは初めてのこと。
広い空間に備え付けられた生活の様々なシーンの提案の中にアートを入れていくという今回の試みは、思った以上にセッティングに時間がかかった。まずは色んなそこに置かれた物達を整理していくことから始めなければならなかったし、実際に展示してみなければわからないという部分もたくさんあったからだ。でも出来上がった空間はなかなか素敵な仕上がりになりショールームのスタッフの方々が何より一番驚き、そしてとても喜んでくれた。「同じ空間なのにまるで森の中にいるように落ち着く」と。この場所は昨年に出来上がったばかりで飯田の人々にはまだほとんど知られていない。そういう意味でも今回の個展をきっかけに地元の人達にまずはここを知ってもらいたいというのも狙いだったのである。満月の日にはオープニングイベントとして「ARTGYPSY ARTSHOW」を行った。ゲストミュージシャンは「タテタカコ」飯田出身在住の飯田のディーバだ。タカコとは彼女のアルバムのジャケットの依頼を受けて以来のお友達。でもこうしてARTSHOWでコラボレーションをするのは初めてのことだったので、それを実現できたのが何より嬉しかったし楽しみでもあった。NOBUYAの提案でスピーカーを中だけでなく外にも設置して通りを歩く人達にも音が聞こえるようにしたのは素晴らしいアイディアだった。満月を見ながらタカコの強く澄んだ歌声に耳を傾け芝生に寝そべった時「ここはいったいどこだろう?」という不思議な感覚に襲われた。小さな男の子が可愛い葉っぱを差し出してちょこんと私の隣に寝そべった。幸せで満ちたりた気分になった。そして集まってくれたお客様に感謝の気持ちがこみ上げてきた。そこには高尾から駆けつけてくれた仲間達の顔もあった。ここ飯田は高尾仲間の一人「美千代」の故郷でもあったのだ。美千代の両親や妹、タカコの両親の姿もあり感慨深いものがあった。いろんな偶然が重なって神様が引き合わせてくれたご縁。綿半と私達を繋いでくれて個展をやることを導いてくれたこのショールームのプロデューサーでもある「アトムリビンテック」の「上田」さん。その上田さんと出会わせてくれた屋久島に住む仲間でカメラマンの「鈴木洋見」。すべてが天の計らいとしかいいようがない。20日の日曜日のARTGYPSY ARTSHOWのゲストミュージシャンの「マークアキクサ」さんとはまったく初めてお会いすることになるが、それも終わってみたら出会うべくして出会ったということに気づくのだろう。∀KIKO EXHIBITION「VISIONアラワレタカタチ」のツアー最終章。一人でも多くの方に来て感じてもらえたらいいなと思う。21日の最終日までみなさんとの出会いを楽しみにしています。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: class=


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: class=


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: class=


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: class=
 
_ 2014.6.16_>>>_満月

「ARTGYPSY TOUR 2014」広島、神戸個展を経て、次は淡路島、長野へと向かいます。広島では初めての個展。「MANOS GARDEN」のギャラリーに招かれての開催でした。昨年の東北・北海道ツアー中に初めてメールをくれて、10月に高尾で開催されたARTGYPSY ARTSHOWに駆けつけてくれたMANOSの「あやこ」がARTSHOWのあとすぐさま声をかけてきてくれのです。MANOSはギャラリーの隣に素敵なショップも併設されたお洒落な場所で、お母様の「文子」さんとあやこが心を込めてお客様と接しているので集まってくる方たちも素敵な方ばかりでした。ARTGYPSY ARTSHOWのゲストミュージシャンは屋久島からクリスタルボウルの「なーや」がやってきました。彼はギャラリーnociw時代のお客さんとしての付き合いから始まりもう10年来の仲間です。昨年屋久島で会って以来、久々の再会。しかも一緒にコラボするのは2010年に行った高円寺での初めてのARTGYPSY ARTSHOWの時にジョイントしてから二度目のこと。ARTGYPSY誕生の立会人のようなものです。あやこが用意してくれた快適なお家で数日間ともに寝泊まりしながら合宿のように楽しい時間を過ごしました。個展が終わった翌日はあやこと宮島の弥山に登りました。雨の降る中NOBUYAと三人で黙々と登った弥山の頂上はそれはそれは素晴らしかった。人もいなくて、とても幻想的な風景を味わいました。また登りたい霊山。そして私は初めての広島の街と人が大好きになりました。神戸個展は二度目。会場「サラ・シャンティ」で二年ぶりに会う方、初めて会う方との出会いに感謝する日々。不思議なことも起こりました。小さな女の子がある日「お父さん、今サラ・シャンティで何やってるの?」と突然言ったそうです。生まれてから今まで一度もそんな言葉を口にしたことがないのでお父さんは驚いて調べてみると私の個展が開催されていたというのです。他にも「子宮がここに来たい、来たいと言ったのでやってきました」という方が現れました。今回「心」というカラスを描いた絵を連れてツアーに廻っているのですが、ある日ギャラリーの前でカラスがものすごい声で鳴いているのです。なんと雛のカラスが親カラスに見守られて初めて飛び立とうとしていた瞬間でした。ギャラリーのオーナー「正博」さんと「和子」さんは「∀さんがカラスの絵を持ってきたからシンクロしてるんやなー。こんなことは初めてや!」と驚いていました。そのカラスの子がギャラリーを去った時に柔らかい羽が一枚置き手紙のようにありました。カラスの絵の下にそっと飾りました。神戸でのARTGYPSY ARTSHOWのゲストミュージシャンは「津村和泉」さん。本物のアカデミックなピアニストでロシアやフィンランドなどヨーロッパ中を飛び回ってコンサートを開かれてる方でした。超スピリチュアルな方でもあり先日行かれたロシアのコンサートではたくさんのスピリット達が地上に降りてきて彼女のピアノを聞いていたそうです。ARTSHOWのリハの時には冷静なNOBUYAが珍しく「全身鳥肌が立つ!」と言ってガタガタ震えていたように、本番では私も彼女の紡ぐ旋律に涙があふれてきました。終了後のお客様の笑顔と涙を見て胸が熱くなりました。和泉さんと出会えた縁をこれからも大切にしたいと思います。夏至には淡路島でARTGYPSY ARTSHOWです。初めての淡路島。カフェ「ナフシャ」の尾崎さんという方から突然メールを頂きました。「RED DATA ANIMALS」の画集をどこかで見て魅せられたとのこと。そして彼がオーガナイズする夏至のお祭りへの参加を依頼されました。広島でも神戸でも「淡路に行く」と言うとみんながみんな「本当に素敵な所です!」とのこと。とても楽しみです。ここでのARTSHOWのゲストミュージシャンは「KURI」。彼らは我らのオオカミ犬nociwの姉妹「ウルル」と山梨で暮らすいわば親戚。でも一緒にコラボするのは初めてのことなのでとてもワクワクしています。夏至の淡路に導かれたことは偶然ではないような気がします。神様に感謝です。そしてそして7月は長野の飯田で個展とARTSHOWがあります。ARTSHOWはオープニングとクロージングの二回。ゲストミュージシャンは「タテタカコ」と「マークアキクサ」氏。どちらもコラボは初めてなので本当に楽しみです。まだまだ続くARTGYPSYの旅。一瞬を毎日を味わい尽くしながら夫婦仲良く、時に喧嘩をしながら一歩一歩前進していけたらと思います。これからもどうぞよろしく。PEACE!








 
_ 2014.5.15_>>>_満月

「皐月」思いつきでやった、高尾での2か所同時個展はあっという間に過ぎていった。GWまっただ中だというのに、わざわざ高尾くんだりまで足を運んでくださったみなさん、どうもありがとうございました。言い出しっぺのNOBUYAが想像したとおり日本庭園と蕎麦屋という2つの趣きのある場所での開催はその距離も近かったことから「川沿いをのんびり散歩しながら絵を見て、しかも美味しいお蕎麦や、お抹茶を頂くこともできて格別にくつろいだ時間を過ごせました。本当に来てよかったです。癒されました!」というお客様達の声もあり、やってみてよかったなとつくづく思った。それもこれも高尾仲間が営む蕎麦と雑穀料理の店「杜々」の全面協力があってのことだったので彼らにはとても感謝している。今回の個展でお店の存在を知ってくれたという新規のお客様もたくさんいたようで嬉しい限りだ。女将の「佐千代」が「杜々に∀の絵を飾った途端、この中で遊ぶ子供達の遊び方が急に変わったの。今までやらなかったようなクリエイティブな遊びをするようになって、無意識で子供達の感性に働いているみたい!」と驚いていたのが興味深かった。駒木野庭園の庭もヤバかった。庭の盆栽はちょうど新芽を出し藤の花は咲き乱れ、美しい鯉が流れるように池を泳いでいく。「なんか京都にでも出かけてきたような趣きを感じました」と言っていた方もいた。元駒木野病院の院長宅だったという日本家屋は重厚感がありギャラリー隣の畳の部屋で枯山水の庭をただぼーっと眺めているだけで気持ちよくなって寝てしまう方もいた。静かに悠久の時が流れているこの空間はさながら異次元への入り口のようだった。私は朝一でその場所に座り瞑想するのが楽しみだった。そしてお腹が空いたら杜々へ。なんという贅沢な個展だろう。特に高尾の仲間達は「ぜひこの個展は定期的にやって欲しい。近場でこんな豊かな時間を過ごせるなんて最高!」と一番喜んでくれていた。確かにこんな素晴らしい環境を与えてくれている高尾に、改めて心からありがとうと言いたくなった今回の「心」展だった。5.11の山梨、大月のピラミッドメディテーションセンターでのARTGYPAY ARTSHOWも最高だった。マジカル1dayリトリートイベント「Relaxima」のvol.0ということでどんな1日になるんだろうとワクワクしていたが、その期待通りのリラックスした楽しい時を過ごすことができた。のどかなセンターの周りにある草花を摘んで自分のためのマザーチンクチャーを作ったり、トラディッショナルヨガのワークを受けたり、お昼寝のあとはみんなでダンスをしたり…。そしてセンターの外に手作りで建てられたドーム型の土壁のキッチンでは素敵な女性「あつみ」さんがそれはそれは美味しいベジ料理やおやつを出してくれてお腹も心も大満足だった。そんな素敵なイベントの中で「この企画にぴったりだと思うんでARTGYPSY ARTSHOWをぜひやってください!」と私達を呼んでくれたオーガナイザーの「二通じゅん」に感謝している。彼女は3月に高円寺の個展のクロージングで行ったARTSHOWを見に来てくれて感動したと言い声をかけてくれたのだった。彼女のお手製のくず餅もとっても美味しかった。この日のARTSHOWのゲストミュージシャンは「齊藤梅生」珍しく打ち込み系の音楽とのコラボレーションだったが、ピラミッド型の建物ともマッチしていてなんともいい雰囲気だった。コーディネイトしたじゅんのインスピレーションは正しかったようだ。初めて訪れたピラミッドだったが私にはこの場所がとてもしっくりきた気がする。「今立て替え中のお風呂でもぜひポエトリーリーディングをやって欲しい!この空間もこれから活かしていきたいと皆で話し合ってるとこなの」と近くに家族で移住してきたという方が言ってくれたが、とっても面白そう!と思ってしまった。ここでもこれからつながっていくであろう仲間達に会えたのが何より嬉しかった。このあとは5月中旬からARTGYPSY TOUR 2014が始まります。第一弾は広島、神戸、淡路島、長野で個展とARTGYPSY ARTSHOWを行うことになっています。詳細はこれからHPに上げていくのでご確認ください。それぞれの地でお待ちしています。みなさんとの出会いを楽しみに…。







 
_ 2014.4.16_>>>_満月

「心」ゴールデンウィークに新緑の高尾で久々の個展を開催する。ここは私達ARTGYPSYの拠点地でもあり第2の故郷だ。我が家のオオカミ犬nociwもここで育ち死んだ。nociwが星になって1年が経つが、今でも高尾の森のあちこちにnociwのスピリットが散らばっていることに気がつく。そんな時、私は彼女にそっと話かけてみる。彼女の歌を歌い、彼女のためにフルートを吹くのだ。鳥達が一斉に美しい声で鳴き始めその音に応えてくれる。今回は2つの会場で同時開催をすることになった。「駒木野庭園」という駒木野病院の隣の日本庭園内にある小さなギャラリーと、友が営む蕎麦と雑穀料理の店「杜々」。駒木野庭園は高尾仲間の「美千代」が「ここは絶対に∀の絵にぴったりだと思うから1度見てみてね!」と以前から熱く語ってくれていたところ。NOBUYAと行ってみると本当に落ち着ける場所で美千代のインスピレーションに感謝した。「ここでやるなら杜々でもやって2カ所同時開催にしよう!」とNOBUYAが提案。なぜならこの2つの場所は川を挟んで丁度向かい側に位置する、とても近い距離にあったから。そんなこんなで話は急にポンポンと決まった。ギャラリーからの趣のある庭の眺めもホットするし、何より気持ちがいい。ゆっくりと絵を見るにはおあつらえ向きの空間だ。庭の盆栽もつい食い入るように見てしまう。それは小さな宇宙。そして杜々。ここの蕎麦や雑穀料理は本当に美味しいので是非とも食べてもらいたい。これからの季節はテラスで山を眺めながら食事をすることもできる。そしてここには私の「MOTHER TREE」の原画もあるのだ。いつでもどーんと床の間の1番いい場所に飾られてお客様をお迎えしている。今回の個展では他の絵達も一緒にちりばめさせてもらうので、MOTHER TREEも久々に仲間とにぎやかに過ごすのではないだろうか。朗らかな風の吹く緑眩しい我らが高尾に散歩がてらふらっと遊びに来てもらえたら嬉しいです。最近立て続けにnociwが夢に現れるのだ。いつもの様子でただそこにいるという感じで彼女はいる。時に夢の中で触れた感覚が目が覚めた後も鮮明に残っていてこんなにもリアルに感じることができるということに驚く。でもnociwにとってこれは当たり前のことなんだろうな。「私はいるのよ。いつだって。どんな所にもね。」って。夢の中の彼女はそうやってメッセージを送ってきているのかもしれない。こちらにそれを感じる心さえあればいつでも繋がっていられるということを。そう思うと私達はとても贅沢な環境で暮らしているのだということに気づく。歩いて行ける森。きれいな川。美しい鳥達のさえずり。助け合える仲間。絵を描くために与えられた仮のアトリエ。感じたものを様々な形にクリエイトできる場が今ここにあるということ。私達にとってこんな幸せなことはないのだから。だから心のままに、心へ届くように等身大の自分達を表現していこうと思う。高尾個展が終わる翌日の5月11日には、山梨の大月にあるピラミッドセンターで行われる「Relaxima」というリトリートイベントでARTGYPSY ARTSHOWを行うことが決定した。個展開催の後にちゃんとARTSHOWも用意されているという、このありがたい流れは「このまんま進んでOK!」というサインのような気がして嬉しい。そして、こういうワクワクな状況を一番喜んでくれているのは実はnociw、あなたなのかもね。これからも何度でも撫でてあげるからね。一緒に楽しんでいこう!愛をこめて。






 
_ 2014.3.21_>>>_春分

「ひとしずくの輝き」高円寺のカフェ「ぽれやぁれ」にて個展を開催中である。今回のオーガナイザーは「さち」こと「池田幸子」。1月に下北沢でおこなったARTGYPSY ARTSHOWで初めて会い、終了後「私にも是非オーガナイズさせてください!」と名乗りを上げてくれた。しかも彼女は代々木のヘアサロン「Pirirka hair」のメンバーだ。このPirikaはNOBUYAが15年以上前に創ったお店でのちに高尾仲間でもある「ヤーマン」に店を譲り現在はヤーマンのお店になっているのだが、まさか自分の蒔いた種からこのような縁が結ばれPirikaの人間にこうしてオーガナイズしてもらうことになろうとは夢にも思わなかったとNOBUYAも感動していた。さちといえばPirikaに入った時から店内に飾ってある私の絵や置いてある画集を見たり、他のスタッフから聞かされる私の話に「ずーっとお会いしたかったんですけど、このタイミングでこんなに強く関わることができて本当に幸せです!」と言ってくれるのだった。ありがたい話である。彼女はPirikaでヘナをやるかたわらヨガやクラシックバレエを教えたり、千葉の香取神宮から依頼されてマルシェをオーガナイズしたりと、ものすごくパワフルに動いているのには驚かされる。「いやー直感で動いてるだけですから。本当にやりたいことだけをただやっているんです」と言ってのけるのだった。そんな彼女が店のイベントのオーガナイズを依頼されているというカフェ「ぽれやぁれ」で是非、個展とARTGYPSY ARTSHOWをやって頂けませんか?ということで実現した今回の企画。やってみたらオーナーの「安彦」さんが実におもしろい素敵な方でこの縁にとても感謝したのである。スタッフの「えま」の作る自然食料理も本当に美味しい。私はコーヒーが飲めないが安彦さんの入れるこだわりのコーヒーも絶品だとか。ぽれやぁれとはゆっくりで大丈夫よ!という意味の造語らしいがその名にぴったりの、のんびりゆったりとした気分にさせる場所である。高円寺は東京のインドとも言われているそうだが、なるほど沢山の裏小路を歩いていると昔歩いたインドのマーケットの雰囲気を思い出した。そんな中でぽれやぁれは、さしずめオアシスといったところだろうか。春分の日。1回目のARTSHOWが行われた。ゲストミュージシャンはシタール奏者の「伊藤礼」とタブラの「キュウリ」。「初めまして!」という挨拶を交わしただけでもう仲間という感覚になった2人。音楽と向き合う心が本当に純粋で胸を刺した。シタールもタブラも初めてコラボレーションする音だったのでドキドキだったが「詩と音がとてもマッチしていました!」とお客様が声をかけてくれて嬉しかった。シタールとタブラの音は最高に気持ちよかった。ミュージシャンの2人も「楽しかったのでまたやりたいっす!」と手応えを感じてくれたようで、またここから付き合いが始まることになりそうだ。こうしてミュージシャンの仲間達が増えることは本当に楽しい。なぜなら我々ARTGYPSYは音楽が大好きだから。急遽決定した最終日の30日にも行われる2回目のARTGYPSY ARTSHOWのゲストミュージシャンは「TAYUTA」というアフリカ系音楽の夫婦ユニットだ。初めてお会いするのだがとても楽しみである。さちの中では「やっぱり最終日なので夫婦と夫婦のコラボで締める!っていうのがなんとも素敵だと思ったんですよ」とのこと。おもしろいヤツ。1回目のARTSHOWはインド音楽で2回目のはアフリカ音楽。どちらも深い深い音魂を持った国の音。30日もまた全然違う印象のARTSHOWになるだろう。昨年はARTSHOWでツアーに回っていたので、私としては久々の個展開催。それもカフェでというのは本当に久しぶりだ。小さな空間ではあるが、ふらっとコーヒーを飲みにいらしたお客様がふと絵に目をとめて微笑んでいる風景も素敵なものだ。気兼ねなくフラットにアートに触れる場としてのカフェの良さはあるなと改めて思うのだった。こんな機会を与えてくれたさちに心から感謝したい。このあともどんな出会いが待っているのかワクワクしながら最終日まで楽しんで行こうと思う。ありがとう!ear-そう全てはひとつ-






 
_ 2014.2.15_>>>_満月

「あるがままに」2014年の最初の仕事はARTGYPSY ARTSHOWで始まった。1.25の下北沢と2.11の高尾。下北でのARTSHOWのゲストミュージシャンは「aki-ra-sun-rise」。彼とは昨年のツアーの函館で「ha-co-i-no-ri」というお祭りに参加した時に初めて出会った。ARTGYPSYは前夜祭のトリを努めることになり、アキラは「アニマ」というユニットで本祭の翌日に出番を控えていた。ARTSHOWを終えた時、彼は自分の名刺とCDを持って即やって来た。「いや~感動しました。アキーラサンライズと申すものですけどよかったら僕のCDを聞いてもらえませんか?ぜひ一緒にいつかコラボしてみたいんです!」とっても積極的。まだ私は彼の音を聞いておらず何と言っていいかわからなかったが「なんかコイツおもしろそうな奴だな」という匂いは感じ取ることができた。そして翌日実際の演奏を聞いて「なんだ超いいじゃん!」と感激し、いつかホントにコラボできたらなーと密かに思っていたのである。それからわずかに5ヶ月後にしてその願いは叶うことになった。オーガナイザーの「五十嵐えみ」がARTSHOWのゲストミュージシャンを誰にしましょうか?と聞いてきた時「私の中ではアキーラさんなんかがピッタリだと思うんですけど∀さんどう思いますか?」と言ったのだ。「えーっ!アキーラ呼べるのー。ぜひぜひ!」と私とNOBUYAは小躍りした。そして再会&初コラボを果たすことができたのである。えみの直感には本当に感謝している。京都からツアーをしながら関東にやってきたアキラは前日から我が家で打ち合わせを兼ねながら過ごしていたので3人の間にも瞬く間に親交が芽生えた。そして知れば知るほど感性が似ていることにも気づいた。だから本番も何の心配もなくお互い思いのままに表現することができたのだった。終了後アキラが言った。「いやー本当に気持ちよかったです。いつかきっと京都でもやりましょう!」結局この日も一緒に高尾に帰ってきて3人で打ち上げをし、改めて出会えたことの喜びを分かち合った。「また、すぐに会いますよ。きっと!」別れ際の彼の言葉に心から嬉しさがこみ上げてきた今年最初の仕事開きだった。高尾でのARTSHOWのゲストミュージシャンは「奈良裕之」。奈良さんとは2011年に私が屋久島へ森に籠って絵を描きに行っていた時に初めて出会った。「森の旅人」の「健太」と「奈央」が奈良さんとパートナーの「麻喜」ちゃんを奉納演奏のため大和杉までお連れするというのでそこに同行したのだ。奈良さんのことは映画「地球交響曲ガイアシンフォニー」で知ってはいた。あの弓のような「スピリットキャッチャー」というオリジナルの楽器で不思議な音を出すというぐらいは。ただその1年前に高知で個展をした時にこの映画の監督「龍村仁」さんが会場にやって来て話していたら急に「奈良裕之には会ったか?」といきなり聞いてきたのだ。そのことがずっと心の片隅に残っていていつかお会いしたいなとは漠然に思っていたのである。そしてその時はなんと縁の深い屋久島にて実現したのだった。しかも一緒に山に登り奉納演奏に立ち会うという場面からである。その夜に「益救神社」で行われた演奏を聞いた時、私は初めて「この人とARTSHOWでコラボしてみたい」という思いを抱いた。自分でも驚いたがそう感じさせる何かがあったのである。そしてそれは思わぬ所で叶うことになった。2012年にツアーで神戸を訪れ個展を開催していた時に会場に来てくださり、予定もなかったのにそのギャラリーのオーナーの思い付きでそこで急遽ARTSHOWをやることになったのである。突然の事の次第に驚いたがそれは私にとって嬉しい驚きであり、私はそのオーナーの思い付きにとても感謝した。その時の経験は自分にも本当にいい学びになりその後の糧にもなるものとなったからである。奈良さんの音は実に音霊演奏と呼ぶにふさわしいものだ。魂の底に眠っていた記憶を呼び覚ますかのような何かを感じる音。その時は会場に特別に我が家のオオカミ犬nociwもいたことを思い出す。神戸でのコラボのあと「またやりましょう!」と言ってくれた奈良さんとこうして再び、しかも私達の地元で仲間達の見守る中でコラボできたことは本当に嬉しかった。「どうしてもこれは実現させたかったの。なぜなら私が見てみたかったから!」という奈央の言葉に深い愛を感じた。この時も長いハグの後「また、やりましょう!」と奈良さんは笑顔で言ってくれた。3度目が楽しみである。奈良さんのスピリットキャッチャーのように、アキーラサンライズは「ハドウラム」というオリジナル楽器を創って演奏する。それは水の波動を伝える媒体。スピリットキャッチャーは風だ。楽器はこの世とあの世をつなぐものでもある。私はアトリエの神棚に野で焼かれたという土笛をおまつりして、祈りのあとにその音を鳴らすことを日課としているのだが、年末年始のアトリエの引っ越しでこの土笛は落ち着かなかったようだ。前のアトリエの神棚からおろして引っ越しし、新しいアトリエにちゃんと神棚が作られるまでは作業机の上に置いていた。その時は何度吹いても一切音が鳴らないのだ。うんともすんとも言わない。固く口を閉ざしているかのように。私はすぐに察した。「ごめんなさい。まずは神棚を作ってあなたをちゃんとおまつりしますね。そうして落ち着いたらまたあの奇麗な音色を聴かせてください」そうして神棚を整えあるべき所に置いた時、その笛は再び鳴ってくれたのだった。楽器にも意思がある。明らかに。そのことを教えてくれた出来事だった。3月には満月の頃から新月の頃まで高円寺のカフェ「ぽれやぁれ」で個展の開催と春分の日のARTGYPSY ARTSHOWをやることが決定した。ARTSHOWのたび毎回変わるゲストミュージシャン。今度はどんな音との出会いが待っているのだろう。そう思うだけで胸がワクワクドキドキしてしまう。これからも、私は私にできることで喜びとともに生きていきます。



 

_ 2014.1.16_>>>_満月

「輪」年末年始とアトリエの引っ越しに精を出した。高尾へ来て9年目を迎える。そもそもこの土地に移り住んだのは我が家のオオカミ犬nociwと暮らすことに決めたからだった。色んなシンクロが重なり、nociwの両親ウルフィーとラフカイの飼い主だった田中夫妻から「この子は∀さんのもとにいくために生まれてきたのでもらってください」と言われ、当時ペット禁止のマンションに住んでいた私達は犬を飼う予定など全くなく突然のことだったので一度断ったのだが「引っ越しすればいいじゃないですか。家が見つかるまで僕らはいつまでも待ちます」と説得されとうとう引っ越しを決意したのだった。二人にはそのひと月前の個展で初めて出会っただけだというのに…。前に暮らしていたのは「ござれ市」をやっている高幡不動だったので都心よりは田舎ではあった。私達が二十歳の時に初めて同棲を始めた場所でもある。田舎から出たくて東京へやって来たものの、やはり根っこは田舎者なので人ごみが苦手で自然が近くにないと落ち着かないというのは二人の一致した意見だった。当時私は学生だったので家探しはNOBUYAに任せていた。どこがいいという希望もさしてはなかったが彼にはその場所が気に入ったらしく気持ちいい川沿いの小さなアパートを見つけてきた。不動産屋さんには「彼女が絵描きなので眺めのいい部屋がいいんですよ」と言ったとか。私は「絵描き」という言葉に嬉しさを覚えたものである。結局私達はその川の眺めが気に入ってそのアパートに数年暮らし、結婚してからもその川沿いに数メートル移動しただけの新しく立ったマンションで生活していたのである。高幡不動に越した頃NOBUYAがふと言った。「ねぇ高尾山っていう山があるらしいよ。行ってみようよ」東京にこんな山があるなんて思ってもみなかった。私達は自分達の遊び場を見つけたとばかりそれからことあるごとに高尾山に上っては楽しんだ。初日の出は毎年山へ上り拝むことが恒例だった。その頃はまだ人も少なく自分達だけのとっておきの場所を確保して太陽が上ったあとそのままそこでぐっすり眠ったりしたものである。帰りは今はない銭湯「天狗湯」に入って。でもまさかこの地に住むことになるとは夢にも思わなかった。やはり縁があったということなのだろう。高幡不動と高尾も同じ真言密教のお寺でつながっているというのも偶然ではないのかもしれない。そんな高尾から今度は私達の故郷北海道への移住の話が浮上してきた昨年だったが、なぜかあともう一歩で決まりそうというところでなかなか決まらない。何か別の大きな力が働いているような気さえしてくるのだ。そして急遽一月中にアトリエを出なければならなくなった。最初のアトリエは取り壊されることになり一ヶ月間のアトリエ展ののちそこを出た。その後、母屋の隣に住んでいる友人が部屋を貸してくれ仮のアトリエとしていたのだが、彼が結婚をしたため今度はそこを出なければならなくなったのだ。期限があるのになかなか決まらずどうなるのだろうと思ったがまたしても知人が助け舟を出してくれて部屋を貸してくれることになった。そこもまた仮ということになるのだが、当面はお世話になるだろう。しかし、こうして何とかなっているということが私達にとっては奇跡であり神の計らいとしか思えないのである。「いずれは北海道へ帰るにしても、まだもう少しこっちにいればいいじゃん!東京でももっと個展をやってさー」仲間達の言葉は嬉しい限りで胸をうつ。確かに昨年は引っ越しのことにかなりのエネルギーをかけていたので今年はゆっくり制作をしたり個展をしていきたいと思っている。与えられた環境でベストを尽くしながら日々精進し続けていれば、いつかは終のアトリエにも辿り着けるだろう。そう信じて。高尾で得た最大の宝はこの仲間達だ。以前北海道から遊びに来た妹が「お姉ちゃん、こんなに強く繋がっている仲間がたくさんいて、よくここを去ろうと思ったねー」と不思議がっていた。でもここで出会った仲間達はこの先誰がどこへ行こうとも変わらず繋がっていくことができる。そのことを確信できる輩なのだ。だからこそ「今ここにいる」ということを噛み締めながら、最も身近にあるものを大切にし愛していきたい。そう感じる今日この頃である。今年最初のARTGYPSY ARTSHOWになる1月25日のテーマは「輪」オーガナイザーの五十嵐恵美のインスピレーションから生まれた言霊だが、これはまさに今の私達にぴったりの言葉だ。見渡せばいくつもの輪に囲まれて生かされているということに気づく。その輪がどんどん大きくなっていつかは一つのでっかい輪が地球を愛で包み込むビジョンを夢見ながら、しっかりと今ここに立っていようと思う。今年もどうぞよろしくお願いします。





 

Leave a Reply

Your email address will not be published.

CAPTCHA