「リニューアル」

今、左手首が腱鞘炎になって毎瞬クリーニングの日々である。

原因は昨年9月に骨折した右肩と腕が3~4ヶ月まったく使えなかった間、左手が頑張り過ぎたことによるようだ。もともと右利きなので左手にとっては初めての過酷な時間だったのだろう。こうなるまではまったく気にしていなかった左手に今感謝の言葉を投げかけている毎日だ(笑)。そもそも私に与えられた骨折という経験。人生で一番痛みを味わったこと。これはNOBUYAが生きていたら起こらなかっただろうと思う。それほど今までNOBUYAがどんなに周りに注意を払って私を守り続けてきたかがわかるのだ。あらためて感謝しかない。そして私に起こったことは私へのメッセージなのだから、そこから目を背けず真摯に向き合っていかなければならないのだ。骨折した時、落ちた所がコンクリートだったので打ち所が悪ければ死んでいたかもしれないと言われた。一周忌直後の出来事だったので、もしかしたら本当に一年で後を追うところだったかもしれない。どこかに「それでもいいや」と思う自分がいたかもしれない。でも「ふざけんな!オマエはまだ早いんだよ!」とNOBUYAに蹴飛ばされたようにも感じるのだ。だから怪我も最低限にして命を救ってくれたのもNOBUYAのような気がしている。しかも私には私達の家族であるnociwの息子のオオカミ犬DONがいる。順番でいけばDONの方が先に旅立つことになるわけで、一瞬一瞬が、かけがえなく大切なのだ。nociwを看取って、NOBUYAを看取って、そしていつの日にかDONを幸せに送り出すことが自分のやるべきことでもある。それまでは彼を懸命に愛し尽くそうと思えた時、そうするためにはまず自分自身を本当に愛していかなくちゃならないのだとはたと気づいたのだった。それでこの体、この痛みと正面から向き合っているという今の貴重な体験があるのである。

NOBUYAの最後の言葉となった「手、手……」という言霊。昔から「オレが死ぬ時は絶対オマエの手を握ってありがとう!と言うからな」と言っていたので、あの時「ほら手を出せよ手を!」という意味なのだと思ったけれど、もしかして「手に気をつけろよ手に!これから起こるであろう試練に!」という意味だったのか?とも最近思ったりして。友人達は「それは間違いなく手を出せってことでしょう?」と言うが、いやいやNOBUYAのことだから予言ということも充分ありえるな…..と思ってしまうのだった(笑)。
いずれにしてもこの現実を私らしく生きるということが人生のテーマでもあるので楽しんでいこうと思う。そんな状況を見て友人が「これは∀のリニューアルなのよ。リニューアル!」というメッセージをくれた。うん。確かにそうとしか思えない。そう思うと感謝しかないね。

NOBUYAはきっとニヤニヤしながら、こんな単細胞な私の学習風景を笑って見守ってくれているのだろう…。

いつもありがとう!愛をこめて。