いのちの樹

先日アサバアートスクエアで開催されたイベント「LIFE IS ART」の余韻がまだ続いている。
やはりドキドキだったのは、人生初の挑戦である「みんなでLIVE ペインティング」だった。「興味を持ってくれる方がいるだろうか…?」そんな心配をよそに当日、会場となるアート教室に入ってビックリ。「わぁーこんなに沢山の方々が…」と、感謝の気持ちでいっぱいになる。見渡すと、子供もいれば大人もいる。親子もいればご夫婦揃って参加の方々も。「みんな、絵を描くためにわざわざここへ集まって来てくれたのだ…。」そう思うと「これって、なんて素敵なことなんだろう!」と、感動せずにはいられなかった。そして、いざスタートしてみると子供も大人も関係なく、それぞれが自分の世界に没頭していた。その姿がとても美しく「幸せだな…」と、魂が震えた。それは初めて味わう不思議な感覚だった。出会ったばかりの他人同士がこうして肩を寄せ合って笑いながら真剣にひとつの絵を描いてる。私はその光景をこの目に焼きつけておこうと一生懸命に彼らが絵を描く姿を見つめていた。「これが第1回目となる記念すべきスタートなんだ。今の感動を私は決して忘れない…」そう心に刻みながら。
音楽はAKIRA IKEDAが担当してくれた。前日のARTGYPSY ARTSHOWでも彼が音を添えてくれて本当に素敵だった。彼との共演も久しぶりだったので嬉しかった。生演奏を聴きながらのライブペインティングにみんなもきっと心躍ったに違いない。出来上がった作品を見てみると1人1人が実に個性的でのびのび楽しんでくれていたのがわかる。みんなが描くための土台である絵のアウトラインを描いていた時に、私はみんなが喜びとともに描いているそんな光景を想像しながら愛をこめて制作していた。その夢が目の前で叶ったことが私には嬉しくてたまらなかった。実際に終わったあとのみなさんの言葉には「こんなに何かに夢中になったのは久しぶりで本当に楽しかった」「幸せな気持ちで描けて楽しかった」「子供達と一緒に描けてとてつもなく楽しかった」子供達に聞いても「面白かったー」「楽しかったー」との答えしか返ってこなかった。それだけみんなが「楽しい!」という心で一緒に描いていたのだ。だからあの、もの凄い平和なエネルギーが教室中に満ち満ちていたのだろう。
アサバのオーナーである和子先生も最初から最後まで教室にいてくださり、ずーっとニコニコしながら「本当に素晴らしいわねぇー。」とみんなに話しかけてとても幸せそうな顔をしていた。今回の試みは実験的なものでもあったので正直、やってみるまではどうなるのかまったく予想もできなかった。イベントのオーガナイザーも同様だったようで「果たして50年という歴史あるアサバにてどういう結果になるのか?」とずっとドキドキしていたそうだ。それがあの教室でみんなが心を解放していたことで、その場にいたみんながひとつになっていった。そうしてここに「いのちの樹」の第1号がめでたく誕生したのだ。
たまらなく幸せな体験を本当にありがとうございました。愛と感謝をこめて。