隠岐の島

3月、4月、5月と立て続けに個展をしたあとの疲れが出てか、しばらく右目の奥の筋肉が痙攣していたが、それもやっと癒えた。

昨年末に愛するDONが旅立って以来、無我夢中で創作に取り組んできたので、頑張ってくれた体には本当に感謝している。そして精神は今とても充実していて満ち足りた気分だ。鳥取大山での個展のあと、ディレクターの志穂ちゃんが隠岐の島へと連れて行ってくれた。彼女は昨年初めてこの島を訪れてから何度か通っていたそうだが、今回「∀さんを隠岐へ連れて行かねば!」とインスピレーションを受け取ってくれたようで、とても心強い道先案内人として島をガイドしてくれることになり、まだ出会って間もない2人の初めての旅が始まった。島は島前、島後と分かれていて今回は島後への旅だった。隠岐はよく屋久島に似ているといわれるそうだが、この島後の形も屋久島にとても良く似ていた。そして巨木が多いところも、なるほど屋久島に似ているなと感じた、それにしても島にある神社の数には驚いた。小さな島じゅうにひしめき合うように存在する神社。どれも人の手が行き届いていて島の人々に愛され守られているのを感じた。それだけ人々の信仰心が篤いということだろう。古の時代より続く祭りもあるという話も聞いた。

私は神社も大好きだがやはり、それ以前の信仰の対象であった巨岩や巨木にどうしても惹かれてしまう。それを感じ取ってくれた志穂ちゃんは島後にあるすべての巨木巡りをしてくれたのだった。屋久島で親友のNAOやKENTAが連れて行ってくれた時のように、自然の中でとても安らぎを覚えることができて、巨木達とのご縁に心から感謝した。そんな木を巡る旅をしていたのは私達だけだったようでほとんど人に会うことはなかったが、ある木のところで初めて出会った旅行者がいた。その方が話しかけてきたので聞いてみると、なんと屋久島出身とのことだった。そして宿に着くと1日目は私達だけだったが、2日目に来た方は昔、屋久島でガイドをやっていたとのこと。「やっぱり屋久島を感じるなー」と思い、この島にもきっとご縁があるのだなと思った。木々達に出会えただけでも大満足だったが、美しい海に癒されたり、島の人々との出会いも楽しかった。話があれよあれよと盛り上がり、すっかり意気投合。みなとても優しくて瞳がキラキラと輝いていたのが印象的だった。

志穂ちゃんのお陰で、島に伝わる古代からの歴史を研究されている方のお話をじっくり聞く機会にも恵まれた。私はますます興味が湧いてきて、家路に着いてからさっそく隠岐にまつわる本まで購入してしまった(笑)。志穂ちゃんは「来年の春頃、大山と隠岐で∀さんのミニ個展ツアーができたらと妄想しています!」とのこと。彼女曰く「そりゃあ旅に出たら誰だって色んな出会いがありますけど、∀さんの引き寄せはハンパないと感じました!」とのことだった(笑)。なんせここは隠された島なのだ…。そういえば、こういう話をNOBUYAは大好きだったなぁーと、ふと想い出した。小学生の頃から雑誌「ムー」の大ファンで、2人でARTGYPSY TOURで全国を巡るようになると、決まって彼が子供の頃から行ってみたかったという、日本各地に存在するピラミッドや古代遺跡に立ち寄るというのが毎回のミッションだったのだ。だからこの流れを一番喜んでいるのも、他でもないNOBUYAだろうと確信するのであった…。

楽しんでいこう!