DONのカタシロ

月に四国を旅した時、友人の「はるな」が暮らす愛媛県、今治を初めて訪れた。

そこで「∀にぜひ紹介したい方がいるので会って欲しい」と言われ、彼女と伺った先は「まさよ」さんという方が営む鉱石のお店だった。「こんにちは~」と一歩店内に入ってみると中には、キラキラと輝くクリスタルや様々な美しい石達が所狭しと展示されていて、そのエネルギーに圧倒された。そして中央に置かれたテーブルにふと目を移してみると、そこにはなんとDONにそっくりな人形が二体置かれているではないか。「え、えーっ!こ、これは…..」あまりの驚きに動揺している私に、微笑みを浮かべながらまさよさんが言った。「実はね、∀さんにプレゼントしたくて、この方に制作を依頼したんです」そこで新たに紹介された親子の娘さんである「みどり」ちゃんが、その制作者ということだった。素敵なお母様の隣で恥ずかしそうにしているみどりちゃんは、まだとても若そうだった。はるな曰く、∀が今治に来るというのを知ったまさよさんが「∀さんにDONちゃんの人形を贈りたいと思うんだけどどう思う?」と聞かれ「きっと喜ぶと思いますよ」と答えたのだという。まさよさんは、はるなが今治に越してきてからというもの、とてもお世話になり、親しくしてる方だそうで、はるなを通じて私やDONのことを詳しく知り、とても共感して下さっていたそうなのだ。そして、みどりちゃんは最近、突然このような動物の人形を制作するようになったらしく、はるなもまさよさんも家族ぐるみで親しくしているとのことだった。みどりちゃん曰く「最初にDONちゃんを作った時、気づいたらとても大きくなってしまって…たぶんDONちゃんのオーラが大きかったからだと思うのですが。それでもう一体小さいのも作ったんです」とのこと。それにしても、まさよさんもみどりちゃんも、私にもDONにも会ったことがないというのに…「これは一体どういうことなのだろう…」と私は心底驚き、この突然の贈り物に頭が真っ白になってしまった。そして何より、とても似ているのだ。いや、単に似ているというだけじゃなく、宿っているのだ。いきなり目の前に現れたこの現象に対してすぐには言葉が見つからず、とにかく「あ、ありがとうございます!」「ドーン!いたの~!」と言うことしかできなかった…(笑)。


その後も続いた旅の道中、二体のDONを丁寧にパッキンで包み段ボールに入れ無事に家まで辿り着いた。それからというもの一体はNOBUYA 、nociw 、DONの写真が飾ってある家族の祭壇に置き、朝晩の祈りと共に眺め、もう一体はアトリエの机の上に置き、仕事をしながらいつでも見ていられるようにした。そして見る度に声をかけ、撫で、抱きしめたりキスをするようになってしまった…(笑)。こうして、いつまでたっても親バカは続いている。だから本当にこれは、私にとって最高の贈り物となった。DONを感じ取ってくださったまさよさんとみどりちゃん、そしてはるな、どうもありがとう。今回のご縁でまさよさんは私に個展のオファーをしてくださった。「今治のみなさんに、∀さんの世界をぜひ感じて欲しいんです」との嬉しいお言葉。その暁には、はるなが強力な助っ人となってくれるという。このありがたい流れには本当に感謝しかない。まるでDONが導いてくれているような気さえする。そうしていつの日かすべてが繋がって「あー、こういうことだったのかぁー」と気づく時が来るような予感がしてならない…。


ありがとう、みなさん。私はとても幸せ者です。