毎年3月に恒例となった、アサバアートスクエアでの4度目の個展が開催になる。
今年は2000年に発売以来、売り切れ絶版となっていた画集「KANTO」を「ASIR KANTO」とタイトルを改め、復刻改訂版として再出版する記念を兼ねて、その原画と、2024年から2025年にかけて、北海道と屋久島で描いた作品の展示である。「KANTO」とはアイヌ語で「宇宙」を意味し「ASIR」とは「新しい」という意味だ。これは地球外の惑星と生命をイマジネーションで描いた作品集で、生前のNOBUYAが最も愛した画集だった。しかし彼は初版本が完成するなり、惑星のページに片面のみにしか絵がないことを非常に残念がり「いつか再版する時がきたら、絶対に見開きで絵を載せたい!」と切望していた。その彼の想いを25年かかってやっと実現することができ、私にとっても感無量の再版となったのである。彼もきっと喜んでくれているに違いないと思う。
NOBUYAは本当に自分のための欲というものがない人だった。持ち物も洋服もほとんど持たなかったので、彼が旅立ったあとの整理にも全く労をなさなかった。持っていたものといえばDJだったので、CDとレコードくらいだった。だが、私のアートに対する思いや「こうしたい!」という欲求には相当な熱意を持っていた。それは告白された15才の時からずっとそうだった。そしてこの「KANTO」の再版もそのひとつだったのである。思えば「君には才能がある。その才能を横道にそらさずに僕が支えていきたい」と言った、告白の言葉そのままに行動してくれた人だったのだ。その彼のお陰で今の私がここに在るのである。そんな彼の思いは、旅立った後に増々強くなっているようにも感じる。だから私は毎日、彼の写真に手を合わせ感謝の言葉を捧げているのだが、つい先日もアトリエで怒濤の個展準備をしている最中に、なんともいえない感覚が訪れ、強烈に彼を強く感じたので窓を開け放ち、空に向かって「のぶやありがとーっ!愛してるよーっ!」と思わず叫んだ。すると、突然目の前の空間に一羽の鷹が出現し、くるくると旋回しだしたのだ。前からも横からも飛んできたわけではなく、目の前に忽然と現れたのである。「そういうことだね。わかってるよNOBUYA…」私はその鷹に話しかけた。そうやって、いつでも私が自分自身に戻れるように、サインを送ってくれているのだ。「この道でいい。真っすぐ行きなさい」と。その時の私といえば、全身に鳥肌が立ち涙が溢れてしかたなかった。そう、私は決してひとりじゃないのだ。そう思った途端に、急に体が温かくなって幸せな気持ちがどっと押し寄せてきた…。そんな感じで、彼の私のアートに対する願望はまだまだある(笑)。その願いをひとつひとつ、丁寧に、楽しみながら叶えていきたいと思う。私の生涯をかけて。永遠なる愛と感謝をこめて…。
個展に関する詳細はHPのインフォメーション、イベントページからもご覧になれます。みなさまのお越しを心よりお待ちしています。





