2004

2004.12.27_>>>_満月

夢を見た。

弁財天に呼ばれて旅をする夢。

日本のどこか海沿いの町。海にせり出した岩場を歩き洞窟にたどり着く。その中に入り奥へ奥へと進むとそこには小さな祠があって私がその扉を開けると、もの凄く明るい光を放ちながら弁財天が現れた。

4年前nociwのオープンの間際にも弁財天が夢に現れて、その後に開かれたござれ市で夢に現れた弁財天が木彫りの像となって店頭に並んでいたのに驚き、思わずその像を購入してnociwに飾った。

今年の始めには江ノ島の弁財天が夢に現れたので私は迷わずその日、江ノ島へと向かった。訪れたのは初めてだったが、以前から何度も夢に出てきていたので新年ということもあって今日こそは行かなくてはと決心したのだった。晴れた日で、島の頂上にたどり着くと海の向こうに富士山がくっきりと浮かび上がり、あまりの美しさに涙があふれた。弁財天に「やっと来れました。呼んでくれてありがとう。」と挨拶をして祈っていると「おみくじを引いて行きなさい。」と心の中から声が聞こえたのでその通りにすると12番の大吉。「自分の信じる道をただまっすぐに進みなさい。」と書かれていた。

3月にnociwをクローズすることが決まっていた私にとって、その言葉は勇気と希望を与えてくれるものだった。実際、私はその言葉通りにこの一年を過ごしてきた。このシンプルな生き方こそが最も自分らしい生き方なのだとあらためて思う。お陰様で今でもこうして絵を描いていられるから。まわりのあらゆる存在に支えられて毎日が本当に幸せで感謝の日々だった・・・・。

今日の夢に出てきた弁財天は何処に居るのだろう?
きっといつかどこかで出会うんだろうな・・・・。

愛と芸術の女神。弁財天。
いつも見守っていてくれてありがとう。

いつの頃からか見続けてきた「地球が光に包まれるヴィジョン。」
このヴィジョンを信じて、私はこれからもまっすぐに歩いていこうと思います。

peace.


_ 2004.12.12_>>>_新月

先日「nociw」のお客さんだった「将也」の卒業制作発表の映画を下北沢に見に行った。

2000年「nociw」オープン2日目の日曜日、この日は第3日曜日で「ござれ市」と重なってしまい、やむなく「ARATA」に店番を頼んだ日に彼は初めて「nociw」を訪れていた。その日「ARATA」から、こんな男の子が「∀KIKO」さんの絵に見入ってたよと聞かされた。

「将也」は「nociw」から徒歩何分かの近さの所で生まれ育ってきた。だから自分の家のそばに「nociw」ができたことをとても喜んでいた。その時は確か美大に落ちたばかりで、でも「自分も将来は絶対アーティストになるんだ。」と目を輝かせて熱く語っていたのを覚えている。その「将也」が現在は映像学科の4年生になっていて、自分の作品を是非観にきて欲しいと言ってきたのだ。

「物語は夜しか語れない」というその映画は、自分の最も身近な友人達の故郷を訪れて、家族やその土地の今の風景をたんたんと見つめたドキュメンタリーだった。自分が行ったり、あるいはその友人達にカメラを預け、感じるものを自由に撮ってきてもらい、集まった映像をさらに自分の感性でコラージュするという手法をとっていて、色んな人の普通の視点がちりばめられていて興味深かった。北海道のシーンもあったからか、自分の田舎や家族や親戚の顔が浮かんできて、とても懐かしい気持ちになった。子供の頃、周りの景色がこんな風に見えていたような気がした。

「将也」がプライベートで「nociw」の映像を撮りたいと言ってきたのは昨年の今頃。「nociw」での最後の個展の時だった。準備の段階から会期中、度々訪れて懸命にフィルムを回していた「将也」を思い出す。

何も考えずに使っていたそのフィルムが、とても特殊だったらしく、日本では現像ができなくてスイスまで送って依頼したものが最近やっと出来上がってきたそうだ。思ったより暗めだったらしいが、火がダンスをしているようでとても美しいという。これから編集して渡してくれるそうで、フィルムに焼き付いた「nociw」の気配を感じるのをとても楽しみにしている。しかもスイスから届いたなんてワクワクする話だ。

私はアーティストとしては本気でやり続けることこそが最も大切だと思っている。そんな情熱を持つ若い同志たちに出会うことは私にとって喜びだ。お互い頑張ろうゼ!!

peace….


_ 2004.11.27_>>>_満月

生まれて初めて「オイリュトミー」を体験した。

「オイリュトミー」とは、人間は「肉体」「魂」「霊(精神)」の三重構造からなるという認識にもとづいて人間の本質を表す運動芸術として、ルドルフ・シュタイナーにより研究されたもので、語源はギリシャ語で「美しいリズム」という意味である。

ドイツから招かれたオイリュトミスト「ヘルガ」の使命は、人の心に届くようなオイリュトミーをしていくこと。オイリュトミーを通して人々がその人のすべてを感じ取り認識し、その人自身の成長へと導かれていくことだと語る。

今回のワークでは、ピアニストがバッハやショパンの楽曲の小節を弾き、その音に溶けながら自分自身の中心を見つけ自分が今ここに在るという認識を持ち、他との時間と空間を共有するというものだった。色とりどりのシルクのスカーフが用意され(オイリュトミストによってツールは様々)それぞれ好きな色のものを手に取り音楽とともにそのスカーフを泳がせたり、浮かせたり…自由に動く。最初は自分とそのスカーフの関係に夢中になって踊っていたがそのうちに段々と他の人々やスカーフの色の流れが目に入ってきた。ヘルガが「今の状況を客観的に見るために半数に分かれてやってみましょう」と言った。座って観察していると最初はバラバラだった色の動きが次第にひとつのエネルギーとなってダンスしているように見えてきた。初めて出会った個性の違う30人の人間の集まりが調和している。これが300人、3000人、30000人…だったらと想像してみた。ステキなヴィジョンだった。この時は耳の聞こえない人や中学生も参加していた。オイリュトミーには必ずしも音楽が必要なわけではないそうだ。スカーフと同じ入りやすくするためのツールなんだろう。
現在15才になる友達に「モモ」がいる。「モモ」とはもう5年のつき合い(超ナマ意気だけど、とっても感受性の強いイイ奴であることは確か)。彼女が小2から通っている自主学校「遊」でもオイリュトミーの授業がある。子供の時からこのような感覚遊びの授業があったら楽しくてしょうがないだろうナァ~と思う。そしてその感覚遊びの中から無意識に自分の存在を認識し他との共存のあり方を学ぶ。オイリュトミーの底知れない可能性を感じた。そして何よりも純粋に楽しかった。

先日やっと地球交響曲(ガイアシンフォニー)第5番を観る機会を得た。第1番から4番まで見続けてきて、その根底に共通するテーマ「私達はガイアの子供。地球というひとつの生命体の一部である」ということを5番を観て改めて心に強く思った。このことは私が絵を描く動機でもある。ガイアシンフォニーを観ていると監督を始め出演者達の心がスクリーンを通しても熱く伝わってきていつも私の胸を打つ。3番に出演している星野道夫のシーンが再び現れ彼の瞳を見た時、なぜか涙がこぼれた。

この日はたまたまこの5番に出演している哲学者のラズロー博士が来日していて会場に現れた。現在、科学の世界でわかっているだけでも宇宙の成立ちから現在まで目に見えない小さな小さな波を計ることによって、その時何が起こったのかを解明することができるそうだ。それは地球や人類の歴史。細かくいえば過去にどこそこのどんな人がどんなことを考えていたのかということまでも知ろうと思えば知ることができるということなのである。つまりどんな思想も目に見えてないように見えるだけで、それはエネルギーとしてこの宇宙空間にいつまでも存在しているということだ。だから私達はいにしえの賢人たちの知恵や恩恵を受け続けることができるのだという。目からうろこのような話だった。

普段、自分の心の中で何だかわからないけど強く感じてたり信じてたりすること。言葉で説明しろと言われても感覚的なものなのでうまくしゃべれなくて相手に誤解されてしまったり…。

でも今まで理解されなかったものがこうしてひとつづつ現実的に科学として解明されてくることによって多くの人々の中に新しい常識が広がってゆく…。

とある島に棲む一匹の蝶の羽ばたきが、はるか地球の裏側で台風を起こす風になるとう「バタフライ効果」が人間の思考というエネルギーにもきっと置き替えられるハズ。

今、自分が立っている所が地球の中心だとして、その今にみなさんは何を想いますか?

peace….

p.s. 来年2月2日から12日までギャラリーLABLINE.TV にて「Candle June」とのコラボレーション展「Kunne Poru」が決定しました。詳しくは追ってお知らせしていきます。

「Kunne Poru」・・・アイヌ語で黒い穴。洞窟を意味することば。


_ 2004.10.22_>>>_上弦の月

先日初めて知床へ行った。アイヌ語でシリエトク。“地の果て”を意味する知床は「こんな所が北海道にあったんだ。」と驚かされるくらいの大自然だった。山、川、海、湖、滝。そこで暮らす野生の動物たち。今回知床に行った目的もそんな豊かな本物の自然に触れたかったから。いつも私にインスピレーションを与えてくれる鹿。そんな鹿たちにたくさん会えたことがとても嬉しかった。中でも夕暮れの森の中に堂々とした、とても威厳のある大きな雄鹿が現れた時、私が歌うと首をゆっくりとこちらに向けて目と目が合った瞬間。そこだけ時間が止まったようなとても幸せな気分に満たされた。海岸に海から船で近づいて見上げた岩壁や洞窟や奇岩。そのエネルギーに圧倒し感動した。

昔から知床もアイヌの人々の暮らす土地だが、ある日、アイヌのやっている民宿兼お土産屋さんに入って店を物色していたら、人のよさそうな、でもしっかり者といった風のお母さんが出てきて、何処に泊まっているかと聞いてきた。知床で一番安いゲストハウスに泊まっていると言ったら、どんな食事が出るかと聞いてくる。ひとつひとつ思い出しながら説明すると、なんとお母さんは「そうだ。今夜そこの夕食は断ってうちでご馳走を食べなさいよ。」と誘ってきた。“ご馳走”という言葉に反応してしまい「えっ。いいんですか?」と聞くと、すかさず「はい。じゃ決まりね。その代わり今日調理場のバイトの子が急に休んじゃったから、よろしくね。」と言われたのだ。その夜、夕食時間帯の2時間半ばかりみっちりと働くことになる。泊まり客に「ねえさん、生ビール!」と言われ「はい。只今!」などと言っている自分が本当に不思議だった。しかも私はこういった類の仕事は初めてだったので、あまりの忙しさに目が回りそうだったが、これも社会勉強だと思い、自分なりに一生懸命働いた。お腹がグーグー鳴るのを我慢して…。食堂に客がいなくなりやっとまかないの時間がきた。初めて会った宿の主人やお母さんたちと話していると、何と二人は私のアイヌの友人の両親を結びつけた愛のキューピッドだったことが解りビックリ。友達も知らないだろう色んな話を聞かせてくれた。「長い間民宿やってきたけどこんな話をするのは初めてだよ。」と言って喜んでくれた二人。私が印象に残ったのは、お母さんのお爺さんが昔竜巻に数十メートルも船ごと巻き上げられてそこからいっきに地面に叩きつけられて死んだという話。そのお爺さんがいつも彼女を見守って導いてくれている気がすると言っていた。「だって人に困ってる時、いつもちゃんとこうやって助けてくれる人が現れるんだもの…」と。再びここを訪れる時、立ち寄れる場所があることが幸せだなぁと思った。

知床から故郷の余市へ帰った。余市も西と東の違いはあっても、海岸沿いで海も山も川もあって奇岩があって…スケールはうんと小さいけどなんとなく知床に似てると思った。まだ旅の続きのような感覚で地元の洞窟やストーンサークルを巡った。「北海道へ帰って自分の生まれた土地の自然を改めて感じて絵にしたい。」来年2月2日から12日までお茶の水のギャラリーでキャンドルアーティストの友人JUNEとのコラボレーションの自分のテーマがそれだった。原点に戻り新たな出発をしたいと思う。これからしばらくは描くことだけに没頭していくつもり…。いいエネルギーをいっぱい吸収してきたのでそれを絵に注ぎます。楽しみに待っててください。

イヤイライケレ。PEACE…


_ 2004.09.14_>>>_新月

7月20日から8月31日まで続いた個展「soul mates」にはたくさんのソウルメイトたちがやって来てくれて、とても嬉しかったです。クリスタルやお花やお菓子、あたたかいメッセージ、そして笑顔の贈り物をどうもありがとう。この個展の模様はギャラリーのコーナーで見て下さい。

8月20日に行ったイベント「HOLY MOUNTAIN」を無事終えてから富士山の浅間神社の火祭りに行って御霊を社から御輿に移す時と戻す時の神事の一部始終を見てきました。「soul mates」の期間中はまさに様々な魂を感じて過ごす機会となり、自分の中ではひとつのつながった大切な時間でした。この火祭りは名前の通り大きな松明に火を灯し参道を埋めつくす凄くパワーのある祭りです。この写真は次回のギャラリーコーナーにアップしますね。

今は仕事でフィンランドの神話の挿絵を毎日描いてます。楽しいです。内容も日本神話の「古事記」のようで、改めて世界の神話の共通性を強く感じ、とても興味深いです。

9月11日に登山家の由美子とだんなの伸也と由美子の仲間とともに箱根の明星ヶ岳に登ってきました。色んな種類の木があって楽しくて、鳥の巣や木の実、きのこや花々と出会って、とてもリフレッシュしました。山を登りながら、これからのことを想像していると楽しいヴィジョンが次々に浮かんできて、絵を描いて生かされている自分はつくづく幸せ者だなーと思い、感謝の気持ちが込み上げてきました。頂上に着くと、朽ちかけた鳥居の奥に小さな小さな祠があって、なんともいい表情をした素朴な神様が居ました。塩と酒と途中で拾った赤い実を御供えして、この星の平和を祈りました。peace ・・・


_ 2004.08.08_>>>_下弦の月

先日、開催中の個展「soul mates.」に神主さんが来てくれました。私とダンナはよく湧水を汲みに富士の裾野の森へ行っているのですが、その湧水を守る神社を守っているのがその神主さんで、ある日その森で出会ってから友達になったのです。その人が個展を見てこう言ってくれました。

「私たち人間や動物や植物や鉱物、この地球上で生きとし生けるものすべては、生まれては死に、生まれては死に、様々に形を変えながらエネルギーを循環させている。このエネルギーこそが神道でいう御霊(みたま)であり、ソウルメイトとは御霊そのものである。この個展にもたくさんの御霊が集まって来ていますよ。」

私はなんだかとても嬉しかったです。

この言葉がずっと心に残っていて、嬉しくて、絵を描いています。

p.s. 8月20日(金)に下北沢のBar「Heven & Earth」で、イベント「Holy Mountain」を行いますので、是非遊びに来て下さい。


_ 2004.07.26_>>>_マヤ暦新年

こんにちわ。「CAFE.SO.」での私の個展「soul mates.」が20日からいよいよ始まりました。nociwをオープンする以前に描いていた絵が8点とstone drawingとtree drawingの新作を合わせて45点を展示しています。

「soul mates.」というタイトルにしたのは、今こうして私が絵を描いていられるのも、すべて周りにいる仲間たちのお陰でみんながソウルメイトだということを強く感じるからです。それにお盆の時期は魂が里帰りする為に集まってくる時でもあるし…。この場所にもたくさんの魂が集い楽しい時間を過していってくれたらいいなぁと心から願っています。

8月31日までの長期開催ですので、ぜひ皆さんのソウルメイトとともに遊びに来て下さい。

PEACE…


_ 2004.06.??_>>>_こんにちは

「nociw」がCLOSEしてから後片づけに時間がかかり、やっと5月の上旬にきれいになりました。今は家の片付けに追われ、まだ当分落ち着いて絵を描けそうにもないです。

一番大変だったのは、ストーンサークルを森へ還すことでした。「nociw」がOPENした当初、どうしても中庭にストーンサークルを作りたいという衝動に駆られ、通っていた森から一つづつ自分で石をチョイスしてダンナと一緒に運んできて無我夢中で作り上げてから、虫たちや鳥たちが遊びに来るようになって自然に色んな植物が芽生え育ちました。

そのうち「nociw」を訪れる人達がそれぞれにストーンサークルと触れ合うようになって…..。
皆さんに愛されたストーンサークルでした。4年間本当に感謝しています。ありがとうございました。

片づける前日、小さな火を焚き、今までの感謝を伝えてお祈りをし「nociw」で一泊して、あくる日森へ向かいました。元の場所へ運び一個一個の石たちに「ありがとう」と言って、川の中へ戻すと、皆喜んで転がって行きました。
「あぁ、これで良かったんだ。」と思い、やっとホッとした瞬間でした。

お店としての「nociw」は終わりましたが「nociw」のSPIRITは続いて行きます。これからはこのネット上でOPENしていきます。私自身まだパソコンを持っていないので最初は友達の協力を得てスタートさせることになりました。少しづつ形にしていくつもりなのでどうか気長にお付き合い下さい。

PEACE…