「holy night ambience」

NOBUYAのDJ MIXの中でも私が特に愛している「holy night ambience」というタイトルのミックスを最近よく流している。

これはNOBUYAの葬儀の時にも会場に流していたのでひときわ思い出に残る作品となった。パリでの作品展でも流していたらコラボしたライトアーティストの「Ako」が驚いて訪ねてきた。「この曲はいったい…」それはビートルズのNo.9という曲。Akoのお父様が亡くなられる時に何度もこのタイトルを口ずさんでいたのだという。「きっと2人はあっちの世界で出会っているんだね」と語り合った。フランスへ渡った途端パリでデモが起こり、最初の土曜日は外出しない方がいいと通告された。なんというタイミング。街では警官が銃を携え警戒しながら闊歩する姿。ホームレスの方達が愛犬を連れているのが目についてしょうがない。彼らはご主人様に忠実でとても澄んだ目をしていた。日本にいると鈍くなってしまっていた感覚が目覚めさせられた。一方、地下鉄のホームや電車の中で演奏される生の音楽の素晴らしさ。教会の中マリアの元で瞑想をした時の安らぎ、ギャラリーがあったモンマルトルの丘からの美しい朝日、ピカソや当時の画家達がアトリエにしていたアパルトマンの佇まい。石畳の街並に染み込んだエネルギーに圧倒されその歴史に思いを馳せた。

実は船便で送った荷物が届かないというハプニングがあったが、手持ちで携えていった作品に助けられ会場を飾ることができた。そして一度だけの予定だったARTGYPSY ARTSHOWが初日の反響で三度行えたことは予期せぬ贈り物だった。日本語の言葉はわからないがその響きに心揺さぶられ感動したと言ってくださった方々がいた。子供の頃聞いた母の子守唄を思い出したという方、シンプルだけに心に届いたと言ってくださった方、予定をキャンセルして次回は母を連れて来ますと本当に親子連れで来てくださった方。彼らの感想を聞いて一番喜んだのはきっとNOBUYAだっただろう。なぜならARTSHOWは彼の作品そのものだから。フランクフルトから家族ぐるみでホテルにも一泊してわざわざ作品を求めに来てくださった方もいて本当に嬉しかった。「マーサー・グラハム」の志を継ぐダンサーの「マギー」は彼女が持つスクールのダンスレッスンにぜひ見学に来て欲しいと言ってきた。「きっとあなたにとって多くのインスピレーションが得られる筈」と。結局見学で感動した私は実際にダンスレッスンも一度受けることになった。マギーは言った「あなたのアートはとても美しい。私達はアーティスト同士でもありソウルシスターよ!」と。様々なアクシデントがあったにせよ最初の一歩を踏み出せたことは大きいのだと思う。そこから色んなことを学ばせられた貴重な体験をさせてもらった。今回の旅に関わり支えてくれた人達には感謝しかありません。本当にありがとうございました。そしてドンを二週間愛情を持って見てくれたNAOと待っててくれたドンありがとう。

きっとNOBUYAは「まだまだこんなもんじゃないだろ。しっかりやれよ!」と尻を叩いてくれるんだろうな(笑)ありがとね。愛をこめて。