「ARTGYPSYでしか出会わない旅」

夏の東北・北海道ツアーを無事終えて住処へ戻ってきた。

4年ぶりの新潟柏崎「umicafeDONA」では目の前に広がる海を前に水着を忘れてきたことを悔やんだが、出発の朝いてもたってもいられなくなり下着のまま海に飛び込んだ。
オーナーの「ヒロ&かおり」夫妻の二人の可愛い子供達が砂浜の上に流木と小石で「∀アリガトウ!!」と文字を書いてくれていた。だから朝起きた時から「ねぇ海に行こう!行こう!」と何度も誘っていたのだ。4年前に作品を見て今回を楽しみにしてくれていたお客様、初めてお会いしたのに熱狂的なファンになってくださったお客様。何よりヒロとかおりがとても喜んでくれて「ツアーで北海道まで行く時は新潟を通るんだから、必ずここへ寄ってください!!」と熱烈に誘ってくれて本当に嬉しかった。DONAの近くに実家があるというミュージシャンの「PHOKA」も、彼女がデビューしたての頃からファンでいてくれて今回のコラボもなにげに3回目を数え、やはりとても縁を感じるアーティストの一人だ。出会った頃は自信なげだった彼女の歌も今では堂々としていて7年間の経験の深さを感じさせる素敵な歌姫になっていた。「最近ちょっと悩んでいたことが今回のコラボで晴れ渡る空のようにスッキリしました。∀さんがいやじゃなかったらまたぜひぜひぜひ!一緒にやらせてください!」と言ってくれるPHOKA。かわいい奴である。

札幌と帯広のコラボアーティストはオーガナイザーの「HARUNA」のたっての希望で筋金入りのロックン・ローラー「JONNY CAT」だった。札幌はすすき野で悪い姉ちゃん、兄ちゃんに魂の歌を届けているというJONNY。でも実はそのいかつい風貌の奥にはピュアな魂が輝いていて心根の優しい素敵なお兄様だった。マネージャーの「ジェーン」さんも明るくてニュートラルで本当に素敵な女性で彼らとの出会いに感謝した。札幌のフェアトレード雑貨&カフェ「みんたる」のオーナー「みかよ」さんも、みんたるに集う意識レベルの高い様々な職業の方々もみんな気さくでいい人達で「やっぱり北海道は落ち着くよなー」とNOBUYAと二人道産子の血を認め合った。帯広では「ZERO」という埼玉から来たという不思議な男性に遭遇し、真剣な顔でひとしきり絵を鑑賞したあと「あの、初対面なのにいきなりこんなこと言うのも何ですが∀さんと私は何千年も前にここで出会う約束をしていました」とおもむろに首からネックレスを指から指輪を外し、私の手の平にそれらを握らせ、サッと立ち去って行ったのだった…。

函館のお洒落なトルコ喫茶「Pazar Bazar」のオーナー「92」とは4年前に彼が主催したイベント「hako-inori」にARTGYPAYを呼んでくれてからの縁だが、今回ARTSHOWのコラボアーティストとして92の閃きで「でく」さんと「小川アヤ」さんという素敵なご夫婦とのご縁ができた。二人は即興の芸術というものに全身全霊で真剣に向き合っていて、本番前に二日間お宅でお世話になりながら色んな話をして一緒にご飯を食べ「まるで家族みたいだね」と言いながら真密な時間を過ごすことができた。その時ARTSHOWについての打ち合わせはほとんどしなかったけど「いやーこういう時間の方がホントは大切なのさー」とでくさん。そして、いざ本番になってみると、本当にごく自然に流れるようにコラボすることができて心の底から楽しかった。でくさんもNOBUYAに「僕たちはきっと昔からここで出会うことになっていたんだ」と言っていたそうだが、本当にそうとしか思えない出会いというものがあるんだなとしみじみ感じた函館の満月の夜だった。

岩手の「やえはた自然農園」では3年ぶりの開催。前回は近くの公民館のようなセンターで行ったが今回は建設中のカフェでしかも野外で行う事になった。台風の心配がある中ギリギリまで中か外かで迷っていたがコラボアーティスト「まったりーず」の「ふっちゃん」は最強の晴れ女だったようで、見るもみごとに晴れ渡り満点の星空の中、最高のARTSHOWを経験することができた。一番喜んでいたのはオーナーの「しょうちゃん」と「かおり」。仲睦まじい素敵な夫婦。二人の聖域である畑に囲まれて、もう間もなく完成予定のカフェを舞台に夕焼けと星空を満喫した日。かおりが「今回はどうしてもここでやってみたいの!」と言っていた訳がわかった気がした。ここは素晴らしく美しい場所にどんどんなっていくね。そんな予感がした美しい夜でした。

この日は秋田からブリーダーであるシリアスストーリーの「ヒロ」さんがオオカミ犬「カーリー」を連れてやってきていた。カーリーもドンと同じくnociwの子供達である。7年ぶりの再会をドンは今回のツアーで2度果たした。北海道では妹夫婦の元にいる「シヴァ」と。けれども最後まで仲良くなれず顔を会わせれば吠えまくりだったのだ。私達は彼らが楽しそうにじゃれ合いながら駆け巡るシーンを想像していたのだが…。多分ドンが犬にまったく慣れていないというのもあるだろうな。私達もドンが7年ぶりに帰ってきて一緒に生活し出してからまだたった2ヶ月しか経っていないので、ドンについては知らないことだらけなのだ。オスとメスの違いもあるだろうが母親のnociwとは全く別のお方である。改めて一人一人の個性というものに気づかされたのだった。そんな中でこの旅ではたくさん犬達に会う機会があり、ドンにとってもいい経験になっただろう。シヴァとはオス同士だから駄目なのかもしれないけど、カーリーはメスだからきっと大丈夫だろうと思っていたが、結局カーリーにも吠えかかり駄目だった。そのくせやえはた農園のメス犬「小麦」には逆に吠えつけられ、しょんぼりと肩を落としながら「友達になってくれよー」と甘えた声を出していたっけ。うーん、わからない。でも久々に高尾の森へ行ったら偶然nociwの娘「ニマ」と会って、一緒に遊ぶこができてホットしたのだった。良かった…。人間にはとても穏やかで女子供には特に優しく、犬も子犬だったらどんな子にも優しい、そんなドンちゃん。愛しい存在です。彼にとっては初めてのツアーできっと目まぐるしかっただろうけど、体も壊さずよく元気でいてくれたよな。ありがとね。

そして今回、北海道でなぜか2度もブヨに噛まれてしまった私。最初は札幌ARTSHOWの前日。刺された場所は右こめかみ。当日の朝、鏡を見ると右半分の顔が晴れ上がり怪談「小岩さん」状態に。滞在先の友達「しほ」にホメオパシーと手作りチンキで熱心に治療してもらった。2度目は函館ARTSHOWの前日。刺された場所は第三の目。当日の朝、鏡を見ると鼻から上全部の顔が晴れ上がり映画「アバター」状態に。アヤさんの「ドクダミ療法」の手厚い看病でこの日の空のように奇跡的に腫れが引いた。同じ目に会う私も私だけど、これほどに人に優しくいたわられて「なんという自分は幸せ者だろう!」と感動していました。ま、NOBUYAにはさんざん笑われていたんだけどね。その節は本当にお世話になりました。ありがとう。

このたび出会った方々、そしてこれからも出会っていくであろう方々、ありがとうございます。