「星とあなたと私と星と」

新月の夜明け前 おおぜいのカラス達がこの山を出発する声とともに目を覚ました

ありがとう
あなたは美しい空
どんな時も まっすぐにこちらを見つめ
ただただ 愛を与えてくれる
私がつれない態度の時も
何ひとつ文句をいうわけでもなく
私が悲しみに沈んだ時には
となりにすわって なぐさめてくれる

ごめんなさい
あなたはもうひとりのわたし
あの白い雲と同じ 刻々とすがたを変えながら
鏡のように 私を映してくれていたのに
気づかぬふりをした時もあれば
まったく気づかない時さえあった

ゆるしてください
あなたは光の中にいて
ずっと微笑みかけてくれていた
私はあなたの優しさに甘え
何度も あなたを傷つけてしまった
それでも あなたはまた微笑んで
何度も 私を許してくれた

愛しています
あなたは美しい星
私が目にする すべてのものに
輝きをあたえ 語りかけてくる
たったひとりでいる気がしても
そうじゃないよと教えてくれる
私の意識に あたたかく触れ
大丈夫だよと 抱きしめてくれる

あぁ 今日の星空はなんてきれいなのだろう
新月の月の 見えない光のふりそそぐ
この小さな山の頂で
お気に入りの岩に背中をあずけ 宙をあおぐ
いとしいいのちが 傍らにそっとやってくる
気がすむまでそうしていればいいさと いっているように

この瞬間 たまらなく幸せな気持ちに満たされてゆく
こうして私は 今日も眠る
ふたたび生まれる あたらしい明日にむかって

星とあなたと私と星と