「夜明け」

今年も初日の出を山頂から拝むことができた。

毎朝の散歩で見る日の出も感動だが、やはり元旦の山頂からの太陽は特別である。こうしてまた新たな年をDONとともに迎えられたことに感謝だ。そして山頂から望む富士山の美しさには息を飲んだ。日本人として新年にこうして富士山を愛でることができることの幸せをしみじみと感じた2022年の幕開けだった。

下山後、友達の家で美味しいお雑煮をごちそうになり、友人達が集っているという新年会にお邪魔してみるとやはりそこでもごちそうが並んでいた。「幸せだなぁ」と思いながらみんながニコニコしている様子を見ていると、おもむろにカラオケ大会が始まった。私はカラオケはしないが人が歌っているのを聞くのは興味深い。「へぇーこういう曲をチョイスするんだ」という新たな発見もあるからなのだが、なんと元旦のこの日に最初にかかった曲が「サイモン&ガーファンクル」の「スカボローフェア」だった。「私が大好きな曲じゃない!」嬉しかった。20代の誕生日、この曲が大好きだった私のためにNOBUYAが中古レコード屋でこの曲が入ったNYセントラルパークでのコンサートが収録されたアルバムをプレゼントしてくれたことを思い出して急にあの頃への懐かしさがこみ上げてきた。数々の思い出が走馬灯のように駆け抜けていく…。すると2曲目にかかったのが「ビリージョエル」の「オネスティ」だったのだ。「えええーっ!」こんなにも驚いていたのは会場で私一人だったのはいうまでもないが…..。というのもこの曲はNOBUYAが私に告白をする中学の卒業式の当日まで、告白を決心した二学期の中頃から彼が毎日毎日自分の部屋で聴き続けていたという曲だったのである。そのことを付き合い始めてから聞いた私はこの曲に対してとても特別な思いを寄せていたのだ。「うーん。偶然にしてもできすぎているよなぁ」と新年早々NOBUYAを強烈に感じたできごとだった。

実はクリスマスイブにも来客があって、初めて我が家を訪れた方がいきなり私の手をとって踊り出したのだ。「なんか今、NOBUYAさんが∀さんとこうしたいようなんです」「えええっ!」私はこの時も本当に驚いたのだが、それは私はダンスが大好きでいつもリビングでNOBUYAのDJを聞きながら踊っていたのだが「たまには一緒に踊ろうよ」と、よくNOBUYAの手を取ってふざけて社交ダンスを真似てみたりしていたのだ。その時は彼はいつも照れて「はいはい」としょうがなく合わせてくれていたのだが、この時はまるで私が喜ぶからと彼の方が積極的にエスコートしてくれていたかのようだったのだ。とはいっても目の前の人は出会ったばかりの客人ではあったが…(笑)。

そして12月の27日、2021年最後の彼の月命日に本当に久しぶりにNOBUYAが夢に現れた。あまりにもリアルでハッとして目が覚めて時計を見ると夜中の2時22分。「222かゴロがいいな。来年は2022年だしな」なんて思いながらトイレに行って再び寝ると、なんとそのまま夢の続きが始まったのだ。そんなことは珍しいので私はただ「会えて嬉しいな」と単純に喜んだのだが、クリスマスイブ、月命日、元旦という節目にピンポイントでメッセージをくれる彼には本当に「面白いな」と思ってしまう。だからいつもNOBUYAのことばかり語ってしまう私がいるのだが、彼にとってはまんざらでもないのかもしれない….。見えない世界と見える世界の私達のこの関係も現在進行形ということなのだろう。夜明けが、もうすぐそこまできている気がする。

2022年もどうぞよろしく。愛と感謝をこめて。