「朝の虹」

先日NOBUYAを偲んで焚き火を囲むという「のぶ兄会」をやった。

メンバーはNOBUYAとはとても深い間柄にあった美容師時代の後輩達で、彼らと久しぶりに会えたことが本当に嬉しかった。しかも火を囲んでというのがNOBUYAらしい。もう知り合って30年近くが経とうとしていることも驚きだが、NOBUYAを通して出会った彼らと今でもこうして気兼ねなく会えていることに感謝している。それぞれに忙しく過ごしている日々の中でもNOBUYAのことを思い出してくれていることがありがたい。あまりに一緒にいるだけでホッとするので別に会話とかをあえてしなくてもいいかなと思える家族のような存在だ。「健康で幸せであってくれればいい」と、ただそれだけを願うようなそんな関係である。メンバーの中で紅一点の「ともみ」はNOBUYAの最初で最後の弟子でもあり、彼はことのほか彼女を可愛がっていた。そんなともみが「のぶ兄はいつも∀さんの話ばかりしてましたよ。のぶ兄に会って、あぁこんな日本人男性もいるんだ、素敵だなぁって思ってました。」と言うので「えっ。たとえばどんな話?」と聞くと「あいつが風邪を引いたので、自然療法の本を見て薬を作ってやったら喜んでさぁ」というようなたわいもない話だった。でもそういう私の知らない所での彼の言葉を聞くのはとても新鮮で嬉しいものだ。NOBUYAとの記憶も年々心が落ち着いてくるのと同時に淡く消えていくものもあるが、日常でのふと笑った時のなにげない表情とか、そういう普通のことは覚えていたいと思う。もちろん、心の深いところでいつも感じるNOBUYAの感覚は永遠なのだが。

最近、朝に虹を見ることが多くなった。それはNOBUYAが旅立った日の朝に虹を見てからのことだ。あの朝に掛かった虹はダブルレインボーで今まで見た中でもあれほどの美しさを越えるものにはまだお目にかかってないが、それでも朝の散歩で出会えた日は最高に嬉しくなってしまう。先日も朝焼けがやけにきれいだなぁと感動していたら反対の空に虹が掛かり更に感動、ワクワクした気持ちでいつもの神社にお参りに行ったら、そこにある牛の像、通称「ももちゃん」の眉間のチャクラのところにピンクのバラが置いてあってなんとも気持ちのいい芳香を放っていたのだ。ももちゃんの眉間にバラは初めてのことなので「なんか今日は神様を感じる日だなぁ~」と思って家に帰りPCを開いてみたら、久しぶりに熊本県南阿蘇のそばや「日出や」の女将「マリオ」からメールが入っていた。それは、常連のお客様で毎年日出やでムーンカレンダーを購入してくださっているというご夫婦が赤ちゃんを授かり、そのカレンダーを見せたところ、絵を指差して大興奮の反応をしているという。こんなに喜んでいる姿は生まれて初めて見たのでと、わざわざそのご夫婦から動画が送られてきたというものだった。その赤ちゃんの名は「光」神様そのもののお名前だった。感じるのは、離れていてもつながっているということ。阿蘇とだってそうなんだからNOBUYAとはもっと近いということかもしれない。

ヤツの好きだった言葉「井の中の蛙大海を知らず されど天の高さを知る」空を見上げる時にはやっぱり思い出してしまうなぁ~。(笑)
いつもありがとう。