「マントラ」

nociw galleryのある根本山にて月に一度開催している「ponkarip」のパートナーである艶子が主催するイベントに参加した。

オーガニック農業家である艶子が応援している神奈川県湯河原にあるリトリート温泉宿「ご縁の杜」で開催された「サラスヴァティ祭り」この宿の女将である里奈子さんが天河弁財天社へ詣でた時に山の祠より「胆をすえよ 今の場を整えよ そこがおまえの宇宙の出入り口だ 舞台をつくりエネルギーを循環させよ」という神様からのメッセージを受け取ったことで始まった神楽作り。大広間に完成したその神楽の舞台にて「一人一人が光の柱を立て弁財天を讃えよう」という趣旨のものだった。艶子は農業の傍ら「ナーラーヨガ」のナビゲーターとして活動もしているが、その創設者でもある「奈良ナーラーヤナ」さんやそのお弟子さん達も参加して「心と体、食と芸能」というまさに弁財天にぴったりの内容のお祭りだった。私は作品展示の他にARTSHOWを演じたのだが、個展会場でやるいつもの感じとは違ったとても刺激的なものとなった。

最初は瞑想から始まった。それは私が朝晩やっているようなものではなく、来場されたお客様が椅子に座ったまま簡単にできるとてもシンプルで優しい瞑想だった。これも奈良さんが発案したもので自分自身の体に触れながら愛と感謝を送っていく。ナビゲートしてくれたお弟子さんの文子さんも素敵な方で、ご年配のお客様もすんなりとリラックスモードに入っていかれた。その次が私のARTSHOWで初めてコラボさせていただいた音楽家の「沙弓」とはまるで遠い昔からの友のように息がぴったりと合っていたことも驚きだった。終わるとともにそのまま奈良さんのマントラの詠唱が始まった。受付で渡されたマントラの数々が書かれた紙を見ながら奈良さんに続いて詠唱するお客様。「高田リリー律子」さんのクリスタルボウルの倍音とともに響き渡る声、そしてその中で「滝桂子」さんの舞が始まり最後には桂子さんがお客様それぞれに鳴りものを渡していき、会場一体が音霊の渦となり皆で踊りに踊るという光景が繰り広げられたのだった。

圧巻だった。大勢で唱えるマントラにこんなにも壮大な力が秘められているということを初めて体験できた日でもあった。奈良さん自身もインドや自分の場所において儀式の中でおこなってきたものが、このように演者として披露するのは初めてのことだったようで事の展開に非常に驚かれていた。これも艶子のもくろみだったのかもしれない(笑)。沙弓が打ち鳴らす太鼓の響きに誘われて、あとは体が勝手に踊り出していた。見ると先程まで行儀良く座っていらっしゃった方々もみな自由自在に踊りまくっている。「あぁなんて幸せなひと時だろう」と今この時を神様に感謝した。そう、この様を見てサラスヴァティもきっと微笑んでいらっしゃるだろうと感じた。

イベントの後の懇親会には多くのお客様が残られていて、一緒に食事を楽しんだ。艶子が育てたキヌアや野菜を旅館の厨房のスタッフがものすごく美味しく料理してくださって感動した。もともとこの宿の料理はビーガンなのだ。そして驚きとともにとても嬉しかったのはその厨房のスタッフに私のファンだという方が2人もいらっしゃってこの日をとても楽しみにしていたということだった。それには艶子もビックリで「やっぱり∀を誘ったのは必然だったんだ~」と妙に納得していた。最初はこの神様一色のイベントに私を誘っていいものかどうか迷っていたらしい。だが蓋をあけてみたら「こりゃ完璧だわ!」という確信に変わったとのことだった(笑)。私自身も新しい風を受けて色々と学ばせていただいた。艶子が「∀と奈良さんはきっと合うだろうな~」と言っていた通り、本当に気が合う仲間に出会えたような懐かしい感覚だった。祭りの最後にステージ上で大声を張り上げながら踊り狂っていたのがまさに私達2人だったのだ(笑)。奈良さんからも後日メールを頂き「あなたとの出会いは不思議で強いご縁を感じます」とのことだった。これから何か素晴らしいことが起こりそうな予感がする。やはりそこはご縁の杜であった。そんな流れを導いてくれているすべての出会いに感謝です。みなさま、2021年も本当にありがとうございました。サラスヴァティを讃えるマントラを口づさんで今日も愛とともに一歩前へ進んでいこうと思います。

オーム サラスヴァティーイェー スワハ!