意識の窓

毎年3月に恒例となった、アサバアートスクエアでの4度目の個展「ASIR KANTO」が無事終了した。

回数を重ねるたび、アサバのファミリー、デザイン教室の先生方、子供達との交流が深まっていくのを感じ、胸が熱くなる想いが増していく。初回から毎年訪れてくれる方々から「おかえりなさい!」と声をかけられ、ここは、もうひとつの故郷のような感覚だ。搬入日から搬出して上野原へ帰るまで、アサバのゲストハウスに滞在し、ほぼ毎日ビッグマザーの和子さんの作る愛のこもった晩ご飯を、息子の弾ちゃんと頂きながら過ごす家族のようなひととき。毎日葉山から通って来る娘の春ちゃんの優しく細やかな気配り、毎回強力なサポートをしてくれる、友人のタケや曽根田夫妻の泉のような愛には本当に感謝しかない。

今年は特に絵に対する大人達や子供達の反応がおもしろかった。みんながジーッと絵の中に入っていって自由に旅をしてくれていた。旅といえば、私の描く線画の絵から好きなのを選んで自由に色を塗る「ぬりえART JOURNEY」もだいぶ浸透してきてくれたようで、参加される方々に男性も増えたことが嬉しかった。そして、今回2度目となる「みんなで描くいのちの樹」の圧倒的な歓喜のエネルギーは本当に凄かった(笑)4分割された絵をひとつに繋いだ瞬間に初めて見えてくる一枚の絵。今年の「いのちの樹」はとてもパワフルで力強いものとなった。いずれも、終えた後のみんなの顔がとにかく生き生きと輝いていることに「間違いない」と改めて確信する。私の夢見る、誰しもが生まれながらに持っている「ART SPIRIT」に灯りがともる瞬間。その場に立ち会える幸せに「生きててよかった…」という想いがこみ上げてくる。この場を創らせてくれたアサバにはやはり感謝しかない。

今回の個展には、私が1999年から2019年までの20年間、毎月参加していた、国宝の高幡不動尊境内で開催される「ござれ市」で、私の作品を知って以来ファンになりました、という方が結構いらしたことにもとても感動した。20年間蒔き続けた種が、芽を出し始めていることを知ることができたのが嬉しかった。これもNOBUYAが「とにかく続けてみろ。必ずお前のためになるから」と尻を叩いてくれたお陰でもあるのだ。2013年にARTGYPSY TOURで訪れた新潟の柏崎市から、はるばるやって来てくれた方もいた。彼女曰く「NOBUYAさんに行っておいでと言ってもらって、ここに来れました」とのこと。「目に見えないものの力」は、こうしていつも働いてくれている。私がそれを意識しさえすれば、いつでも感じることができるのだ。

今、目の前で起きていることもすべて、この意識の窓から見える世界。それを慈しみ、楽しみ、味わい尽くしていこうと思う。

ありがとうございました。心から愛と感謝をこめて。